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不整脈の治療について

更新日:2020/04/27

脳梗塞になる不整脈とその最新の治療法

治療を必要とする不整脈の中で、最も多いのは心房細動です。
倉敷市内の40歳以上の方の心房細動の有病率は約1.6%、高齢になるとその頻度は増加し、80歳以上では約3%に達します。
最近、街を歩くと外国の方をよく見かけますが、市内の外国人の割合は1.27%です。
つまり外国の方に会うよりも、心房細動の方に会う割合の方が高く、心房細動はよく見かける疾患ということです。

心臓は電気で動き、上の心房から下の心室へ電気が流れますが、心房細動では心房の中で電気の流れが乱れて興奮しすぎるため、心房が震えてうまく収縮が出来ない状態となります。【図1】

不整脈_図1


そのため心房の中の血液の流れが悪くなり、血栓ができて、それが心臓から飛び出すと脳の血管に詰まり、脳梗塞になります。【図2】

不整脈_図2

心房細動がある方は、ない方に比べて約5倍も脳梗塞を発症する確率が高いと言われています。
また脳梗塞となった場合、他のタイプの脳梗塞より症状が重篤で命に関わることが多いです。
何とか命を取り留めても、話すことができなかったり、手足を動かせなかったりなど後遺症も多く、その後の生存率も低いことがわかっています。

心房細動の治療としては、血液の流れを良くする薬を内服し血栓ができないようにすることが必要ですが、近年は心房細動にならないようにするカテーテルアブレーションが行われるようになりました。

カテーテルアブレーションとは、携帯電話の充電器のコードほどの細い管を足の付け根から挿入し、心臓の筋肉に焼灼という火傷を作り異常な電気が出てくるところを壊したり、電気の流れを止めたりする治療法です。
心房細動は、肺から戻ってくる肺静脈内で発生した異常な電気が心房に伝わり、心房が興奮を起こしてしまう事が原因です。
そのためカテーテルで肺静脈と心房のつなぎ目にやけどをつくり、心臓に異常な電気が入らないようにする事で、心房細動を治療します。
不整脈_カテーテルアブレーション

当院でもカテーテルアブレーションを行うようになり、多くの心房細動の患者さんの治療を行っています。
その結果、脳梗塞の発症を低下させるだけでなく、心臓の機能を回復し心不全も改善させることができ、心房細動に対するカテーテルアブレーションは非常に効果的な治療法であるとわかりました。
またカテーテルアブレーションは、1人の患者さんに対して治療を行う医師2~4人、患者さんの状態を観察する看護師2~63人、治療の機会を操作する臨床工学技士3~4人、レントゲン装置を操作する放射線技師1~2人の約10人以上のチームで治療を行っており、医師1人の技術力だけでは良き治療はできません。
そのため、当院では患者さんの情報をチーム内で共有し、さらに日常から頻繁にチーム内でコミュニケーションを図ることで、「One Team」としての高いチーム医療が行え、より良い成績を収めています。
脈が乱れたり、脈の速い動機がしたりするような場合は、循環器内科を受診してご相談ください。
不整脈_リスクの高い人



K-style vol.62 2020春号より
K-style62

執筆者

医長(講師) 古山 輝将 Terumasa Koyama
専門分野 循環器疾患全般、CCU

認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会専門医、埋込み型除細動器登録医、ペーシングによる心不全治療登録医、着用型自動除細動器登録医

出身大学
川崎医科大学 H16.3 卒業

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