- センター長
- 三浦 真澄小児科 部長
少子化傾向にある中で、低出生体重児数は年々増加傾向にあります。当センターは、平成16年2月から新生児科開設に伴い、「後遺症なき生存」と「温かいNICU」を目指してより一層の周産期・新生児医療の充実を計り、平成16年12月には、現在の病棟が竣工し、移転しました。
平成20年4月からは新生児搬送システムを立ち上げ、地域産婦人科からはハイリスク妊婦のご紹介をいただき、症例数は増加しています。ソフト面では、先端医療の導入を含む治療内容の向上と並行して、病床でも健全な母子関係の確立のため、平成17年7月からカンガルーケアをはじめ、数々のQOLの改善を進めており、その成果は全国学会、フォーラムで発表を重ねています。また退院されたお子さま方の追跡を行うフォローアップ外来から現場へのフィードバックにも力を注いでいます。
特徴・特色
- 新生児集中治療(NICU)に特化したベッドサイドオーダリングデータベースシステム(CPOE)を独自に開発導入し、迅速、正確な治療の実現と医療の安全確保を行っています。2015年には母乳管理データベースを追加して家族の方々が届けられる赤ちゃんのための母乳を安全に効率よく使用できるようになっています。2017年からは面会データベースシステムを開発して、面会時の個人情報に配慮しながら患者のセキュリティと利便性を確保することが可能となりました。2018年からはバーコード投薬認証システム(BCMA)を開発導入し、2019年には閉鎖回路電子投薬管理(closed-loop EMM)システムとして、オーダリングでの治療をより確実、安全に行えるようになっています。これらのシステムはいずれも他に類を見ない当科独自のものです。
- フォローアップ外来と地域保健所の連絡を深めながら、新生児センター入院中からお子さんと家族を通して、退院後の育児を考慮した対応を目指しています。
- 入院症例に的確なケア、治療が提供できる様に、回診時のみでなく、症例検討、部長からの「ワンポイントレクチャー」を随時行って、診療、看護のレベルアップに努めています。
感染対策意識の充実と成果
NICUではMRSA、ESBLをはじめとする耐性菌へ注意を払う必要があります。常にキャンペーンを行い、スタッフの感染に対する意識を高め、院内感染防止に努めています。
開かれた新生児医療
ご両親への診療内容の説明を行いながら、常に同意に基づいた医療を提供しています。