特徴・特色
呼吸器内科で扱う疾患は、肺癌、感染症、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、喘息などのアレルギー性疾患、肺線維症を中心としたびまん性肺疾患、睡眠時無呼吸、呼吸不全など、特徴として、病態が多岐に渡ることがあげられます。また、他臓器の疾患に合併・併存することも多く、患者数も莫大です。肺がん、肺炎、COPDなどが死亡者数の上位を占めるように、呼吸器疾患は生命予後とも直結していますし、喘息、COPD、睡眠時無呼吸などは、我が国の潜在的患者数は数百万人にも上り、疾患の認知度・管理の向上が急務とされています。
現代の高齢化社会を背景に、呼吸器疾患患者は年々増加する一方、全国的に呼吸器専門医が不足している現状があり、大きな問題になっています。その中にあって当科では、専門的な知識と技術を持ち合わせ、かつ全国的にも指導的立場にもある呼吸器内科医を結集し、加えて、幅広い呼吸器内科診療に対応するべく、サブスペシャリティの専門医を取得し、全領域に渡って、高度な医療を満遍なく提供できる診療体制を確立しております。
診断や治療にあたっては、世界の呼吸器診療を参照しながら、最新の機器や薬剤をそろえて、大学病院に相応しい先端医療を提供しております。と同時に、呼吸器外科や放射線科、リハビリテーションセンター、薬剤部、栄養部、MEセンター、院内感染対策室などとも合同カンファレンス・回診や連携診療を行っており、チーム医療を通して、多角的に包括的管理を実践し、より良い患者管理に努め、患者のQOL(生活の質)向上のために、全員一丸となって取り組んでいます。
主な医療機器・設備の紹介

- 細径胸腔ビデオスコープ
- 局所麻酔で行うことができ、胸水、胸膜炎、アスベスト関連疾患(中皮腫など)の診断に極めて有用です。
- 超音波気管支内視鏡
- 診断が難しい胸部リンパ節の生検が内視鏡で可能となりました。
診療部長・責任者
- 部長(教授) 小賀 徹 Toru Oga
認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・指導医、日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医、日本睡眠学会総合専門医・指導医、日本喘息学会専門医、呼吸ケア指導士
- 出身大学
- 京都大学 H7.3 卒業
主な対象疾患
関係する症状
- せき
- たん
- 血たん
- 息切れ
- 発熱
- 胸の痛み・不快感
- いびき、眠気
- 胸部レントゲン写真・胸部検診での異常
治療している主な病気
- 急性・慢性気管支炎
- 頑固な咳と共に、ときには黄色たんが出ます。とくに喫煙者は、常に慢性気管支炎と隣り合わせにいると考えてください。
- 肺炎、肺結核、胸膜炎
- 咳、痰、発熱、胸痛が主な症状ですが、高齢者では食欲不振や倦怠感だけのこともしばしばです。しつこい咳は早めに受診してください。肺炎予防に肺炎球菌ワクチン接種を推奨しています。
- ぜんそく(喘息)
- 夜間や早朝の咳、発作的な息苦しさが典型的です。のどがヒューヒュー・ゼーゼー鳴ることもあります。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
- 喫煙者で最近息苦しく感じたら危険信号です!早めに受診してください。同時に禁煙外来を受診することをお勧めします。
- 肺がんなどの悪性疾患
- 最も恐れられている悪性疾患(がん)です。最近は胸部CT検診で早期に発見されるようになりました。
- 間質性肺炎、肺線維症
- 頑固な咳、息苦しさがあります。いろいろな薬の副作用でも間質性肺炎がおこります。
- じん肺
- 粉じんを吸入する仕事に従事している方はご注意ください。
- 石綿(アスベスト)関連疾患
- いま社会問題になっている病気です。10年から40年以上前に吸入した石綿でおこります。胸膜炎、肺がん、悪性胸膜中皮腫の原因となります。細径胸腔ビデオスコープが胸膜炎の診断に威力を発揮します。
- アレルギー性肺疾患
- 普段服用している薬でおこることもあります。
- 気胸
- 突然の息苦しさと胸痛が特徴です。
- 縦隔疾患
- 検診異常や胸部圧迫感で発見されます。
- 呼吸不全
- 息苦しさを感じたり、酸素不足を指摘されたら早めに受診してください。
- 睡眠時無呼吸症候群
- いびき、昼間の眠気、目覚めが悪い方はご注意ください。
- 禁煙指導
- タバコは、害あって益なし!早めに受診されることをお勧めします。
- その他の呼吸器疾患
専門診療・専門外来
- 肺がん外来
- 専門医がご相談に応じます。
- 抗酸菌感染症専⾨外来
- 専門医がご相談に応じます。
- 呼吸不全、睡眠呼吸障害外来
-
専門医がご相談に応じます。
受診の際のお願い
- 肺がんのセカンドオピニオン外来は完全予約制のため、受診前に予約センターへご連絡ください。肺がん免疫療法(ワクチンと抗体)は完全予約制です。
実績
2023年度
患者数(延べ) | 外来患者数 | 13,429人 |
---|---|---|
入院患者数 | 7,055人 |
詳細は年報をご覧ください。