生理機能検査・検体検査
検査項目の基礎知識
更新 : 平成28年7月1日
※平成28年7月1日より基準値・単位変更。
変更以前の内容については、中央検査部までお問合せ下さい。
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一般検査
略称 | 漢字名称 | 基準値 | 単位 | 検査の内容説明 |
---|---|---|---|---|
WBC | 白血球数 | 3.30-8.60 | ×103/μL | 白血球は病原微生物に対して体を守る細胞です。細菌などが侵入してくると骨髄で盛んにつくられ、数が増えてきます。数を測定すると体の状態の把握が出来ます。炎症があるときも増えます。 |
RBC | 赤血球数 | 男4.35-5.55 女3.86-4.92 |
×106/μL | 赤血球は体の細胞に酸素を渡し、二酸化炭素を受け取って肺まで運んでいます。数が減った状態を貧血といい、酸素の運搬量が低下して体内が酸欠状態になります。 |
HGB | 血色素量 ヘモグロビン |
男13.7-16.8 女11.6-14.8 |
g/dL | ヘモグロビンは酸素を運ぶ役目の中心的役割を果たしています。貧血の有無や赤血球増加症を疑うときには、この検査で判断します。 |
HCT | へマトクリット値 | 男40.7-50.1 女35.1-44.4 |
% | へマトクリットは、一定量の血液中に含まれる赤血球の割合を調べる検査で、貧血や多血症の重症度がわかります。 |
PLT | 血小板数 | 158-348 | ×103/μL | 血小板は、出血したとき、血を止める働きをします。数を測定することで、出血しやすい原因が、数の減少なのか、他に原因があるのかの判断に役立ちます。 |
Retic | 網状赤血球数 | 0.5-2.0 | % | 若い赤血球は、特殊な染色で網状の構造がみえるので、網赤血球とよばれています。網赤血球数は、骨髄の赤血球系の造血機能を把握する検査の1つです。 |
TP | 総蛋白 | 6.6-8.1 | g/dL | 体には多種類の蛋白質が存在していて、それぞれ違う働きをしています。血液中の蛋白質の量を測ることで、蛋白質の合成や使われ方に異常があるかどうかをみます。 |
Glu | 血糖 グルコース |
73-109 | mg/dL | 血液中のブドウ糖のことで、糖尿病の重要な指標です。ただし、食事や運動、ストレスなどによって変動するので、測定したときの背景も重要です。 |
A/G比 | アルブミン/グロブリン比 | 1.32-2.23 | アルブミン(A)とグロブリン(G)の濃度を比較した値で、血清蛋白成分の変動をおおまかに知るものです。 | |
T-Bil | 総ビリルビン | 0.4-1.5 | mg/dL | ビリルビンは赤血球が壊されるとき生成され、便とともに排泄されます。一部は再吸収され肝臓で再利用され、腎臓を経て尿中に出ます。血中のビリルビン濃度が高くなると、黄疸になります。 |
D-Bil | 直接ビリルビン | 30-52 | % | 直接ビリルビンとは、アルブミンと結合したビリルビンが肝臓に取り込まれてできるものです。総ビリルビンの一部ですが、黄疸の種類によって上がり方が異なります。 |
ALP | アルカリフォスファターゼ | 106-322 | U/L | 加水分解酵素の一つであり、肝臓・胆嚢の病気の時や、骨の病気の時の指標になります。また乳幼児期と10~12歳頃は成人の3~4倍程度高く、妊娠後期にも高くなります。 |
T-CHO | 総コレステロール | 142-248 | mg/dL | コレステロールは、脂質の一種で、血管の強化・維持に大切な役割を果たしています。また、胆汁酸やステロイドホルモンを作る材料となりますが、多すぎると動脈硬化症など生活習慣病の原因になります。 |
γ-GT (GGT) |
γ-グルタミル トランスペプチダーゼ |
男13-64 女9-32 |
U/L | 肝臓・胆道系の病気の検査として使われ、とくにアルコール性肝障害や常習飲酒者および薬物性肝障害において上昇します。男性が女性より高めです。 |
LD (LDH) |
乳酸脱水素酵素 | 124-222 | U/L | この酵素は体内すべての臓器に分布しており、細胞の変性や崩壊を反映するため、スクリーニング(一次検査)として重要です。 |
ALB | アルブミン | 4.1-5.1 | g/dL | 血液中にある蛋白の主成分で、肝臓で作られるので、肝機能の指標になります。また、腎臓に障害があると尿中に出ることもあるので、尿蛋白としても調べます。 |
GLB | グロブリン | 2.2-3.4 | g/dL | 蛋白を構成する成分の集合です。総蛋白、アルブミンなどと合わせて判断します。 |
ChE | コリンエステラーゼ | 男240-486 女201-421 |
U/L | 血清や肝臓・膵臓に存在しますが、主に肝機能の評価に使われます。肝硬変では低下します。脂肪肝ではしばしば上昇します。 |
ALT (GPT) |
アラニンアミノトランスフェラーゼ | 男10-42 女7-23 |
U/L | 肝臓や胆道の病気の有力な指標です。ASTとともに測定され、ASTよりも肝臓に特異的な指標です。肝障害や胆道疾患などで高くなります。ビタミンB6の欠乏では低くなります。 |
AST (GOT) |
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ | 13-30 | U/L | 肝臓病や心臓病などの有力な指標で、ALTとともに測定されます。肝臓病、心臓病、筋肉の病気、溶血性の病気などで高くなります。ビタミンB6の欠乏では低くなります。 |
CRE | クレアチニン | 男0.65-1.07 女0.46-0.79 |
mg/dL | クレアチニンは筋肉および神経内で作られ、血液中に移行し尿中に排泄されます。クレアチニンの血中濃度は、腎機能障害の程度に応じて上昇します。 |
UN | 尿素窒素 | 8-20 | mg/dL | 蛋白の最終産物は尿素で腎臓から排泄されます。尿素窒素は、血液の中にある尿素中の窒素量を測定しています。肝臓での尿素をつくり出す能力の低下によって低くなり、腎機能が低下すると高くなります。 |
UA | 尿酸 | 男3.7-7.8 女2.6-5.5 |
mg/dL | 尿酸は、核酸やプリン体代謝の最終産物で肝臓、骨髄、筋肉などで生成され、尿中に排泄されます。尿酸の排泄低下あるいは過剰産生によって血清中の尿酸値は増加します。尿酸値が高いと痛風を誘発します。 |
Amy | アミラーゼ | 44-132 | U/L | でんぷん、グリコーゲンなどの多糖類を加水分解する酵素です。アミラーゼは膵臓と唾液腺に多量に存在し、これら臓器の炎症などにより血液中の値が上昇します。 |
CRP | C反応性蛋白 | 0.14以下 | mg/dL | 感染症・炎症や組織の破壊が起こるとすぐに増える蛋白質の1つです。回復とともに減少するので、炎症の指標となります。 |
Fe | 鉄 | 40-188 | μg/dL | 鉄はヘモグロビンの合成に使うため、血液中でトランスフェリンと結合し血清鉄として存在し、必要とする臓器へ輸送されています。血清鉄を測定することにより、鉄の欠乏や過剰などの鉄代謝異常が推測できます。 |
Na | ナトリウム | 138-145 | mmol/L | 体内の水分調節に大切な役割を果たしています。主にNaCl(食塩)の形で経口摂取され、おもに尿、汗、便などから排泄されます。水分代謝異常を疑うとき(浮腫、嘔吐、下痢など)に検査します。 |
Cl | クロール | 101-108 | mmol/L | 主にNaCl(食塩)として摂取され、腎臓を通って尿中に排泄されます。血清クロール値は通常、血清ナトリウム値と並行して変化します。 |
K | カリウム | 3.6-4.8 | mmol/L | 細胞内には多く存在しますが、血液中にはごくわずかで、その濃度は厳密にコントロールされています。腎臓に障害があると高くなります。高値になると心電図や筋肉に影響をもたらすことがあります。 |
IP | 無機リン | 2.7-4.6 | mg/dL | 食事により腸管で吸収され、骨に貯蔵し、過剰分は腸管と尿中へ排泄されます。したがって吸収、貯蔵、排泄の状況により値が変動し、主に内分泌や骨代謝・腎機能の異常を調べる目的で検査されます。 |
Ca | カルシウム | 8.8-10.1 | mg/dL | 大部分は骨に含まれ、血液中にはごくわずかに存在し、その濃度は一定に保たれています。内分泌異常、腎疾患、骨代謝異常などの時に測定します。 |