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形成外科・美容外科

フロア案内
  • ≪外来≫皮膚・運動器センター外来 4階(44)
  • ≪病棟≫皮膚・運動器センター病棟 13階
オリジナルホームページ

更新:2023年4月1日

特徴・特色

再建手術、小児形成、外傷を中心に診療を行っています。
 再建外科では、癌治療や外傷に伴う組織欠損や機能喪失に対して、機能的にも整容的にも品質の高い再建医療を提供しています。主に、乳房再建、頭頸部再建、リンパ浮腫、フットの救肢手術、欠損指の再建、顔面神経麻痺、褥瘡などに取り組んでいます。
 小児形成では、口唇裂・口蓋裂の専門外来を設けて、手術から言語訓練までチームアプローチによる集学的な診療を行っています。小耳症や四肢の先天異常など幅広く診療を行っています。
 外傷では、高度救命救急センターと連携し高エネルギー外傷に伴う顔面、四肢の重度外傷をはじめ、顔面骨折、熱傷、切断指などの治療を行っています。

診療部長・責任者

山下 修二
部長(教授) 山下 修二 Shuji Yamashita
専門分野 再建外科、リンパ浮腫、眼瞼下垂

認定医・専門医・指導医 形成外科専門医・指導医、再建・マイクロサージャリー分野指導医

出身大学
岡山大学 H13.3 卒業

主な対象疾患

関係する症状

代表的なもの

再建
乳房再建、頭頸部再建、四肢再建、リンパ浮腫、皮膚悪性腫瘍
小児形成
口唇裂、口蓋裂、小耳症、多指症、合指症
外傷
顔面軟部組織欠損、顔面骨折、切断指、熱傷
難治性潰瘍
糖尿病性足壊疽、重症虚血肢、静脈うっ滞性潰瘍、褥瘡
顔面変形
顔面神経麻痺、陳旧性顔面骨折、頭頸部癌術後変形、片側性顔面萎縮症
眼瞼
眼瞼下垂、内反症
一般形成
皮膚良性腫瘍、良性軟部腫瘍、血管腫、瘢痕、ケロイド

治療している主な病気

(1)再建

乳房再建

乳癌切除後にインプラントや自家組織を用いて乳房再建を行います。当院で行っている自家組織再建は、筋肉を温存し脂肪組織のみを血流を維持して移植する方法を用いており、もっとも侵襲の少ない方法で行っています。

頭頸部再建

耳鼻科や口腔外科で行う頭頸部癌切除後の欠損に対し、遊離皮弁による再建を行っています。癌治療後の2次変形に対しての整容的な再建も行っています。
リンパ浮腫
リンパ浮腫は徐々に進行する慢性疾患であり、治療は生涯に渡り行う必要があります上肢、下肢、顔面、陰部のリンパ浮腫の多くは、悪性腫瘍の治療に伴うリンパ節廓清や放射線照射により発症します。むくみが軽減されるよう、保存的加療(圧迫療法)を継続しながら、症状の程度に応じてリンパ管静脈吻合術やリンパ節移植などの外科治療を介入します。その他、蜂窩織炎、陰部リンパ漏、骨盤内リンパ嚢胞、術後リンパ漏、乳糜胸腹水など、リンパ浮腫関連疾患についても診療しています。

皮膚悪性腫瘍

全身の皮膚悪性腫瘍を取り扱います。特に、顔面の皮膚悪性腫瘍切除後の再建では、整容性を充分に配慮した再建を行っています。
難治性潰瘍
糖尿病性足壊疽、重症虚血肢、静脈うっ滞性潰瘍などの難治性潰瘍に対し、患肢温存を目的に救肢手術を行います。褥瘡に対しても、積極的な外科治療を介入しています。

欠損指の再建

外傷後に欠損した手指の再建を行います。欠損の状態に応じて、足趾を移植したり、骨と軟部組織を組み合わせて移植し、手指を再現します。

(2)先天性外表異常

口唇裂・口蓋裂

先天性外表異常の中でも、最も発生率の高い疾患のうちの一つです。本邦では500~700人に1人の割合で発症しています。口唇裂のみ、口蓋裂のみ、あるいは両者が合併しているものの3通りに分類されます。初回手術の後、瘻孔閉鎖術、咽頭弁形成術、外鼻形成術、顎裂部の骨移植術、鼻中隔矯正術、上下顎骨切術など数度の二次手術が必要となることがあります。
小耳症
先天的に耳介の一部あるいは全部が欠損している状態で、本邦での発生率は5000~10000人に1人といわれています。体格がよくなる10歳ごろに胸部から肋軟骨を採取し耳の形に形成します(フレームワーク)。このフレームワークを側頭部に埋め込んで固定します。約6ヵ月後にフレームワークごと耳を起こし、できた皮膚欠損部に植皮を行います。さらに必要に応じて細部の修正術や脱毛術を行うことがあります。フレームワークの作成と埋め込みに芸術的な繊細さが要求されます。

多指(趾)症

指趾の先天異常では最も多く、400~500人に1人の発生とされています。手指では親指側に多く、足趾では小指側に多く見られます。指の機能上、1歳までに手術を行うことが望まれます。関節の形成術や骨切り術などを併用しバランスの取れた1本の指に形成します。

合指(趾)症

指趾の分化過程で分かれるべきところが分かれずにくっついたままとなったため(アポトーシスの異常)に発生したもので、手指では中指と薬指の間に、足趾では余剰趾を伴い4・5・6趾間で多合趾としてみられることが多いです。1,000人~3,000人に一人の発生といわれています。手術時期は1歳前後から2歳ごろに行うことが多いです。術後に瘢痕拘縮を来たさないようなデザインで合指を分離し指間を形成し、皮膚欠損部には植皮を行います。

(3)外傷

新鮮および陳旧性顔面外傷
当院にはドクターヘリが待機する高度救命救急センターがありますので、顔面外傷の症例も数多く治療させていただいております。眼瞼挙筋、涙道、顔面神経、耳下腺管などは損傷後可及的早期の修復が必要となります。また、時間が経って陳旧性となった症例についても、元の状態に近づけるべくさまざまなアプローチにより治療を行っています。
顔面骨析
当科では顔面骨折の治療も数多く行っております。頻度の多いものとしては鼻骨骨折、頬骨骨折・頬骨弓骨折、上顎骨骨折、眼窩骨折などで、耳鼻咽喉科眼科歯科・口腔外科と協力して手術を行っております。
切断指
外傷により切断された手指の再接合術を行います。吻合部血栓などで再接合した指が壊死した場合でも、機能的に必要と考えられる場合は足趾移植を行い欠損指の再建をおこなうことができます。

熱傷

重症度により全身管理が必要な場合と局所治療のみでよい場合があります。救急科、リハビリテーション科など関係各科と共同で治療に当たっています。

(4)眼瞼

眼瞼下垂

先天性のものと後天性のものに分けられ、さらに後者は神経性(神経麻痺など)、筋性(重症筋無力症や加齢によるもの)、外傷性(まぶたをあげる腱が切れてしまったり、コンタクトレンズの長期使用によるもの)、機械性(腫瘍や瘢痕癒着によるもの)に分けられます。治療はまぶたをあげる筋肉を短縮する方法と、眉を上げる筋肉を用いてまぶたをあげる吊り上げ術があります。

専門診療・専門外来

乳房再建外来(木曜日・午前)

自家組織再建、人工物再建、脂肪注入による乳房再建を行っています。

リンパ浮腫外来(木曜日・午前)

リンパ管静脈吻合術、リンパ節移植術などの外科治療を行っています。

眼瞼外来(木曜日・午前)
眼瞼下垂や眼瞼内反症など、眼瞼に関する疾患を取り扱っています。

口唇裂、口蓋裂外来

矯正⻭科、⾔語治療、⽿⿐咽喉科などと共同で集学的治療を⾏っています。(第24⽉曜⽇・午後)

当科ではごく初期から保健師、形成外科医、矯正⻭科医、⽿⿐咽喉科医、⾔語療法⼠よりなる専⾨外来での総合治療を⾏っております。また、近年増えている出⽣前告知を受けられたお⺟さまに対する支援と致しまして「⼝唇裂⼝蓋裂の出⽣前情報提供」を⾏っています。ご出⽣以後の治療や養育に関して具体的にお話させていただきます。詳細は、形成外科・美容外科外来にお尋ねください。

受診の際のお願い

  • 待ち時間が少なくなるよう、外来の診察は予約制となっていますが、患者さんへの十分な説明が必要な場合や検査、急患、手術等で順番が変わり、お待ちいただく場合があります。
  • 円滑に治療計画をたてるためにも、紹介状と検査データを持参してください。

実績

2021年度

患者総数(延べ) 外来患者数 5,500人
入院患者数 4,849人

詳細は年報をご覧ください。