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病院病理部

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更新:2023年4月1日

森谷 卓也
部長(教授) 森谷 卓也 Takuya Moriya
専門分野 診断病理学、細胞診診断学、乳腺病理・婦人科病理

認定医・専門医・指導医 日本病理学会認定病理専門医・指導医、日本病理学会病理専門医研修指導医、日本臨床細胞学会認定細胞診専門医・指導医、日本臨床細胞学会教育研修指導医

出身大学
川崎医科大学 S59.3 卒業

病院病理部では、全ての診療科からの依頼を受けて、病理専門医により生検および手術標本の病理組織学的検査、術中迅速検査、細胞診検査の診断を行っています。診断困難症例については免疫組織学的検査、電子顕微鏡的検査、組織化学的検査、in situ hybridizationなどの特殊検査を加えて詳細に検討し報告しています。一般に、生検材料では36時間で、術中の迅速診断では15分程度で診断を報告しています。
また、紹介患者さんが以前の医療機関で受けられた病理検査についても、標本をお借りし、診断を確認しています。さらに、外部診療機関では診断困難な症例に関してのコンサルテーションも積極的に受け付けています。ISO15189も取得しました。

特徴・特色

放射線科(画像診断)

当病院病理部の病理専門医はすべての臓器病変に対応できますが、それぞれ異なる専門領域を持ち、その領域では深い知識と経験を有しています。毎日スタッフ全員で全症例について部内カンファレンスを行い、組織診断の精度管理に努めています。なお、外科、内科、産婦人科耳鼻咽喉科泌尿器科など他科とのカンファレンスを定期的に行い、治療方針の決定に貢献しています。
細胞診では、細胞検査士2と細胞診専門医による検体のトリプルチェックを行っています。またベッドサイドでの迅速細胞診も行っています。免疫組織学的診断では300種類の抗体を取り揃え、正確な診断に役立てています。また、がんの治療薬を決めるコンパニオン診断やゲノム診療にも積極的に協力しています。

主な検査・治療などの紹介

病理組織検査

生検、手術により切除された組織・臓器をホルマリン固定し、病理医による切出しの後、パラフィン包埋し、薄く切ってガラスに貼り付け染色したものを顕微鏡で観察し診断する検査です。病変や腫瘍の性格(良性・悪性)をはじめ、悪性の場合にはがんがどの程度広がっているか、切除断端にがん細胞がないか、リンパ節に転移はないかなどを詳しく検査し、その結果により手術の適応の判定や、術後の治療方針が決定される重要な検査です。

術中迅速検査

手術中に腫瘍の良悪性、切除断端での腫瘍の有無、リンパ節への転移の有無などを診断し、手術法の選択、切除範囲の決定に指針を与える検査です。手術室から送られてきた組織を凍結し、臨床検査技師が薄く切ってガラスに貼り付け染色したものを、病理医が顕微鏡で診断します。術中迅速検査は限られた時間内に、正確な診断が要求される重要な検査です。

細胞診検査

子宮がん検診や肺がん検診でも行われている検査で、喀痰や子宮頸部から細胞を採取しスライドガラスに薄く塗りつけた後、がんであるか否かを専門性の高い細胞検査士と細胞診専門医が顕微鏡で診断する検査です。また、ベッドサイドでの迅速細胞診も行っています。

免疫組織学的診断

約300種類の抗体を取り揃え、乳がんや悪性リンパ腫の検査では日常的にこれを行い、治療方針への重要な情報を提供しています。

組織化学染色による骨格筋疾患の検査

筋ジストロフィーなどの筋疾患に対して、正確な病理診断を下すための補助的検査です。筋肉の代謝経路に関する酵素を組織化学的に検索し病変の診断に役立てます。

ウィルス検査(in situ hybridization)

EBウィルスをRNA(EB virus Encoded Small RNAs[EBER])を標的としたPNAプローブを用いて検出する特異性の高い検査です。EBウィルス感染に関連した悪性リンパ腫等の診断に不可欠な検査です。

電子顕微鏡検査

光学顕微鏡だけでは診断が困難な症例について、電子顕微鏡を用い詳細に観察を行う補助的検査です。腫瘍細胞の微細構造の検討、ウィルス粒子等の病原体の検索に用いられます。

病理解剖

病理解剖は、患者さんがお亡くなりになった際に、ご遺族の承諾を得て、ご遺体を解剖し、臓器の観察や組織検査を行うものです。患者さんの病気の原因と状態を調べて、診断をさらに正確にすることを目的としています。また、死亡の直接の原因についても調べます。

実習生受入れと教育

川崎医科大学4・5・6年生の臨床実習(症例検討)、臨床研修医の外科病理一般ならびに病理解剖研修、川崎医療福祉大学 臨床検査学科3年生の臨床実習(病理組織標本作製、術中迅速診断ならびに病理解剖研修の見学)を受け入れています。

詳細は年報をご覧ください。

実績

2021年度

外科病理組織診断 11,415件
術中迅速組織診断 399件
細胞診診断 8,258件
病理解剖 17件
電子顕微鏡 29件
免疫染色 3,666件

詳細は年報をご覧ください。