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泌尿器科

フロア案内
  • ≪外来≫腎尿路・血液・糖尿病センター外来 3階(31)
  • ≪病棟≫腎尿路・血液・糖尿病センター病棟 10階

更新:2024年4月1日

特徴・特色

泌尿器科01泌尿器科_ダヴィンチ

外来診療に関しては、担当医師と看護スタッフを含めたチーム医療で外来患者が満足のできる治療を目指しています。入院診療に関しても、診断、治療方針、予想される入院期間などについてはクリティカルパスに基づき丁寧な説明を心がけています。

泌尿器科領域における外科的治療はその8割以上が内視鏡下手術です。われわれはインフォームド・コンセントを徹底し、さまざまな泌尿器科疾患においてロボット支援手術、腹腔鏡手術、内視鏡手術を積極的に導入し、可能な限り低侵襲治療を心がけるとともに個々の患者さんに適した治療法を選択するようにしています。また、治療後の患者さんのQOLを考慮した治療を行います。

トピックス

ロボット支援手術システムによる低侵襲手術

最新の⼿術⽀援ロボット、ダヴィンチXi2017年秋に導⼊し、現在前⽴腺がんの全摘除術、腎細胞がんの根治的摘除術および、腎部分切除術、腎盂・尿管がんに対する腎尿管摘除術、膀胱がんに対する膀胱全摘除術などの悪性腫瘍だけでなく、腎盂尿管移⾏部狭窄症の腎盂形成術や骨盤臓器脱に対する仙骨膣固定術などの良性疾患に対しても⼿術⽀援ロボットを⽤いて⾏っています。同装置を⽤いることで、正確で安全で⾝体の負担が少ない⼿術が可能です。

泌尿器科疾患に対する腹腔鏡下手術

腹腔鏡手術は従来の手術と比べて、患者さんにとっては傷(皮膚のみならずその下の筋肉も)が小さいため術後回復が早いこと、手術を行う側にとっては操作を行う部位を大きく拡大して見ることができるという長所があり、低侵襲手術として今日ではスタンダードな手術になっています。当院においては泌尿器腹腔鏡技術認定医を中心とするチームにより、ロボット支援手術の適応のない以下の疾患に対して行うようにしています。

腎細胞がん、腎良性腫瘍、腎盂・尿管がん、無機能腎、遊走腎、水腎症、先天奇形など
副腎・後腹膜
副腎皮質腫瘍(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、内分泌非活性副腎腫瘍)、副腎褐色細胞腫、パラガングリオーマ
尿管
尿管がん、後腹膜線維症・後腹膜疾患などによる尿路通過障害

泌尿器科疾患に対するレーザー治療

レーザー装置を用いて、前立腺肥大症や、腎・尿管結石、腎盂尿管腫瘍や膀胱腫瘍の治療など、幅広い疾患に安全に対応しています。

  • 前立腺肥大症・・・前立腺肥大症はトイレが近い、尿が出にくい、残尿感があるなど、中高年男性にとっては生活の質を低下させる大きな原因のひとつです。保存的治療としては薬が用いられますが、薬剤治療では効果が不十分な場合や、たびたび尿閉になる、あるいは腎不全をきたすような肥大症の場合には外科的治療が行われます。従来、経尿道的前立腺摘除術(TURP)という電気メスで前立腺を削り取る手術が広く行われてきました。しかしレーザーを使用することで、従来の手術に比べて出血が少なく、術後の尿道膀胱カテーテルの留置期間が短くて済み、入院期間の短縮が可能です。多くの方々が手術翌日にカテーテルを抜去し、術後早期に退院されています。
  • 尿路結石症・・・腎結石や尿管結石もしばしば遭遇する疾患です。腎結石や尿管結石に対して高いエネルギーをもつレーザーを用いた内視鏡手術を行うことで、安全に結石を破砕することが可能です。
  • 腎盂尿管腫瘍・・・適応はやや限られますが、腎臓がひとつしかないなど、腎臓の摘出を回避したい症例などでレーザー治療が可能です。ホルミウムレーザーを用いることで安全に腫瘍を焼きとることが可能です。

勃起障害

性交時に十分な勃起が得られず、性交が完遂できないことを勃起障害といいます。心因性のものと勃起機能そのものに異常のある器質性のものがあります。当院では、日本性機能学会認定性機能専門医によるカウンセリングや薬物療法、陰茎海綿体注射療法など、専門性を活かした治療を積極的に行っています。

男性更年期障害(LOH症候群)

近年、男性においても中年期以降に男性ホルモンの低下により、閉経期に伴う女性の更年期障害に類似した症状が出現することが明らかになってきました。男性更年期障害には、ほてりや疲労感などの身体的症状、集中力の低下やいらいら感などの精神神経的症状、勃起しにくいなどの性機能障害などさまざまな症状があります。個人によって男性ホルモンの値や症状が異なります。当院では、血液検査や更年期質問紙により更年期障害の診断を行い、男性ホルモン補充療法、漢方薬や向精神薬などの薬物療法、カウンセリングや自律訓練法などの心身療法を行っています。以下のような症状に心当たりのある方は一度当科を受診されることをお勧めします。

  • 性欲がなくなってきた。元気がなくなってきた。
  • 体力あるいは持続力がなくなってきた。
  • 身長が低くなった。
  • 「日々の愉しみ」が少なくなってきた。
  • 物悲しくなったり怒りっぽくなったりした。
  • 勃起力が弱くなった。
  • 運動する能力が低下してきた。
  • 夕食後うたた寝をすることがある。
  • 仕事をする能力が低下してきた。

男性不妊症

正常な夫婦生活をいとなみ、2年以上挙児を得ることができない場合を不妊症といいます。原因の約半数は男性側に原因があり、精液中の精子がない、あるいは少ない、動きが弱いといった状態に起因します。当院の特徴として、精子の通り道の閉塞や精索静脈瘤など器質的に原因のはっきりしている症例に対しては顕微鏡を用いた手術を行っています。精巣そのものの造精能力の低下した精子の数が少ない症例に対しては薬物療法も行いますが、精液中に精子のない無精子症に対しては近隣の産婦人科クリニックと提携し、精巣より直接精子を採取した上、顕微受精も行っています。

泌尿器科疾患に対する顕微鏡下手術

  • 精索静脈瘤に対する顕微鏡下低位結紮術
  • 精管・精管、精管・精巣上体管吻合術

診療部長・責任者

宮地 禎幸
部長(教授) 宮地 禎幸 Yoshiyuki Miyaji
専門分野 泌尿器一般、泌尿生殖器がん、腹腔鏡下手術、副腎外科、女性泌尿器疾患

認定医・専門医・指導医 日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医・指導責任者、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)、日本内分泌学会専門医(泌尿器科)、泌尿器ロボット支援手術プロクター(前立腺がん・腎細胞がん・膀胱がん)、日本ロボット外科学会Robo Doc Pilot(国内A級)

出身大学
岡山大学 S63.3 卒業

主な対象疾患

関係する症状

排尿に関係する症状
尿が出にくい、尿が出ない、残尿感がある
尿の回数が多い、夜、何度も尿のために起きる
尿がもれる
尿の性状に関する症状
血尿が出る
検診で、顕微鏡的血尿を指摘された
にごった尿が出る
痛みに関する症状
尿をする時、痛みがある
わき腹が痛む(尿管結石による発作)
下腹部、そけい部、陰のうに痛みがある
性機能・生殖器・内分泌などに関する症状
勃起しない
男性更年期障害と言われた
男性不妊症
陰のう内容や男性性器の形態に異常がある
その他
健康診断での異常
腎・尿管の形態異常
腎に腫瘍がある
PSA(前立腺がんの腫瘍マーカー)が高い
前立腺が大きい

治療している主な病気

腎・尿路、男性生殖器がん
腎細胞がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、陰茎がん、精巣腫瘍など
前立腺肥大症を中心とする下部尿路通過障害
神経因性膀胱、尿失禁、夜尿症、間質性膀胱炎、過活動膀胱
尿路結石症
尿路、男性性器異常(奇形)
腎盂尿管移行部狭窄症、胱尿管逆流症、停留精巣、尿道下裂、包茎、陰茎彎曲症、ペロニー病(形成性陰茎硬結症)、精巣水瘤、血精液症など
尿路・男性性器感染症
腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎、精巣上体炎、性行為感染症、亀頭包皮炎など
男性不妊症
特発性男性不妊症、閉塞性無精子症、精索静脈瘤など
副腎疾患
副腎腫瘍(原発性アルドステロン症、クッシング症候群、褐色細胞腫、内分泌非活性副腎腫瘍)、副腎性器症候群など
女性泌尿器疾患
腹圧性尿失禁、膀胱瘤など
男性更年期障害、勃起障害(ED)
泌尿器科救急疾患
腎外傷、尿道外傷、精索捻転症、尿性敗血症、尿閉、腎後性急性腎不全、嵌頓包茎など

専門診療・専門外来

現在、腫瘍(腎・尿路系がん、前立腺がんなど)、排尿障害(前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿失禁)、男性外来(勃起障害、男性更年期障害、男性不妊症)などの専門外来を設けています。診療表をご参考にしてください。

実績

2022年度

患者数(延べ) 外来患者数 16,967人
入院患者数 6,104人

詳細は年報をご覧ください。