特徴・特色
勝村元学⻑(血管)、藤原名誉教授(⼼臓)が⽇本での 外科治療のパイオニアとしてはじめ、三代⽬種本名誉教授に より⼤きく発展した歴史ある教室です。冠動脈バイパス術や下 肢動脈バイパス術などは全国に先駆けて導⼊してきました。長期に管理している患者さんも多く、良好な成績を残すにはどのようにすべきかを常に考えた外科治療を行っています。心臓弁膜症についてはできるだけ人工弁の使用を避けて、自己弁を温存した弁形成術を積極的に行って良好な成績を出しています。また、大動脈弁のカテーテル人工弁植込術(TAVI)を積極的に行っています。低侵襲心臓手術(MICS)についても、その利点を最大限に生かした治療が可能です。大動脈瘤 については長い歴史を持っていますが、カテーテルによるステントグラフト治療も早期から導入し、低侵襲治療に務めています。
次に、下肢静脈瘤をはじめとした静脈疾患は生命予後に影響することは少ないですが、患者さんのQOLには多大な影響を与える疾患であり無視することはできません。従って我々の教室では内視鏡手術、レーザー治療などの最新治療を積極的に行っています。
大動脈緊急症 拠点病院
急性大動脈解離は予兆なく急に発症する重篤な疾患で、特にA型解離と言われる重症型では、発症直後に30%が死亡します。その後は緊急手術を行わなければ1時間に1%ずつ、24時間で約半分が死亡する恐ろしい疾患です。また解離ではない真性大動脈瘤(腹部大動脈瘤など)の破裂も大動脈緊急症のうちの1つです。これらの患者の救命のためには、早期に適切な診断を行って、緊急手術の対応が可能な医療機関に搬送することが重要です。今般、医療法に基づき、岡山県保健医療計画によって上記対応が常時可能な医療機関として県内4病院が位置づけられ、川崎医科大学附属病院も拠点病院となりました。
岡山県のホームページはこちら
下肢静脈瘤に対する血管内治療実施基準による実施施設
平成23年12月1日、下肢静脈瘤に対する治療実施基準による実施施設として認定されました。下肢静脈瘤の血管内治療に対する優れた医学知識と高度の医療技術を備え、安全かつ効果的な血管内治療を施行いたします。
診療部長・責任者
- 部長(教授) 畝 大 Dai Une
認定医・専門医・指導医 日本外科学会外科専門医・認定医、心臓血管外科専門医・修練指導者、胸部ステントグラフト実施医
- 出身大学
- 岡山大学 H13.3 卒業
主な対象疾患
関係する症状
動脈や静脈の病気を治療しています。歩くと足が痛くなり、休むと痛みがなくなる。あるいは足が冷たい。そのような時は、動脈の病気です。よく整形外科の病気と間違われます。また足が腫れるなどの症状があると静脈の病気の可能性もあります。そのような診断を無侵襲的に行い、治療していますので、気軽に受診してください。
- 下肢症状に関しては、しばらく歩くと足が張ってくる、痛む、足が痺れる、冷えるなどの症状
- 動脈の病気が疑われます。よく整形外科の病気とまちがわれます。
- 安静時にも足が痛む、あるいは潰瘍を作っている
- 急いで受診される必要があります。
- 足が腫れる、また静脈の瘤(こぶ)が飛び出しているといった症状
- 静脈の病気の可能性もあります。そのような疾患診断を無侵襲的(痛くない)に行い、治療していますので、お気軽に受診してください。
治療している主な病気
臨床領域としては、心臓、血管の外科治療を担当させていただいておりますが、とくに救急疾患に対してはリアルタイムでの対応をモットーとしています。
心臓、血管の疾患は時間が勝負で、時期を逃がすと助かる疾患でも命をおとすことがありますので、異常を感じられたらできるだけ早期に受診してください。
- 心臓
- 後天性弁膜症、先天性心疾患、冠動脈バイパス術、左室形成術、心膜疾患の外科治療
- 血管(静脈)
- 下肢静脈瘤、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎、静脈うっ滞性潰瘍の診断・治療
- 血管(動脈)
- 大動脈瘤(胸部、胸腹部、腹部)、解離性大動脈瘤の外科的治療、大動脈閉塞疾患、末梢動脈疾患、閉塞性動脈硬化症、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)、レイノー氏病、その他の動脈疾患の保存的療法ならびに外科的治療(経皮的血管形成術)、血管外傷、血管の先天性奇形の治療
専門診療・専門外来
実績
2023年度
患者数(延べ) | 外来患者数 | 5,188人 |
---|---|---|
入院患者数 | 8,527人 |
詳細は年報をご覧ください。