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086-462-1111(代表)

放射線診断科

フロア案内
  • ≪外来≫画像診断センター2 2階(21)
  • ≪病棟≫放射線科病棟 13階
川崎医科大学 放射線診断学教室

更新:2024年4月1日

特徴・特色

放射線科(画像診断)特色写真

単純X線検査、消化管造影検査、CT検査、MRI検査、核医学検査などあらゆる画像に対して専門的な診断を行っています。全身各領域を専門とする放射線科医が各診療科のカンファレンスに出席し、画像診断のアドバイスを提供しています。基本的にすべてのCT、MRI、核医学検査、読影依頼のあった単純X線検査、消化管造影検査を最低1名以上の放射線科診断専門医が検査当日中に読影しており、また主治医からの相談には24時間体制で対応しています。診断の難しい症例に対しては毎朝のカンファレンスで症例提示し、複数の各領域の専門医師で評価し、より正確な診断を提供しています。

また、画像診断の技術を利用して画像支援下に治療や診断を行うInterventional Radiology(IVR)や核医学治療も積極的に行っています。特に緊急症例に対しては24時間体制で迅速に対応しています。

画像診断

画像診断のなかでも当科ではおもに単純X線検査、消化管造影検査、CT検査(コンピュータ断層撮影検査)、MRI検査(磁気共鳴画像検査)の画像診断を行っています。画像診断の専門家が2人以上で画像を読影し診断を行っています。それでも診断の難しい症例に対しては、カンファレンスで症例提示し、複数の専門医師で評価し、より正確な診断を提供しています。その診断結果は、皆さまが受診された各診療科の医師の手元に報告書のかたちで届けられ、治療方針をたてるために役立てられています。

Interventional Radiology(IVR)

IVRとは、画像診断(X線透視装置、超音波、CT、MRIなど)を施行しながら、主にカテーテル技術、または穿刺術を利用した診断または治療のことです。「画像下治療」や「血管内治療」とも呼ばれています。すなわち体内の状態をリアルタイムに観察しながら、カテーテルや針を血管や肺などの臓器にすすめ,より患者さんに苦痛が少ない方法で病変部の治療を行います。

核医学診療

当科では放射性物質(RI)を利⽤した画像診断と治療を⾏っています。画像診断は、その対象領域が様々な臓器と疾患にわたり、主に院内の他の診療科や他施設からの依頼に基づいて検査を実施し、画像診断結果を添えて検査結果を報告しています。治療としては、外来患者を対象に、バセドウ病および癌の⾻転移に対するアイソトープ治療を⾏っています。その他、当科は国内で最初に⾻塩定量の臨床応⽤を始めた歴史を持ち、その実績をかして、⾻粗鬆症患者の外来診療を⾏っています。

核医学検査

全⾝の多くの臓器を診ることができます。また、腫瘍(悪性リンパ腫、肺がんなど)や炎症の部位、範囲や活動性を知ることができます。

半減期(放射能が時間とともに減ります)のある放射性医薬品を⽤いるため、予約診療です。放射線科(核医学診療)へ直接電話で予約してください。TEL 086-462-1111(代表) 内線 21521

下記の検査は、当科が特別に⾏っているものです。
1)センチネル・リンパシンチグラフィ: 乳がんなどの術式決定に⽤います。
(2)
局所脳血流(rCBF)の定量:脳神経疾患の診断や、経過観察に使います。数値が算出されますので変化を認識しやすくなります。
(3)脳血流SPECTの統計画像解析:健常者と⽐較した画像を⽰します。病変部が分かりやすくなります。

主な医療機器・設備の紹介

CT

CTとは、「コンピュータ断層撮影」のことを指し、X線をいろいろな方向から照射して体を透過したX線のデータをコンピュータで計算して、身体を輪切りにした断面写真を撮影する診断装置です。頭部、骨、胸部(気管支・肺など)や腹部(肝臓・膵臓・腎臓など)などの様々な病巣を発見することができます。造影剤という薬品を注射して撮影することで、腫瘍の発見や小さな血管の描出も可能となっています。当院では80列マルチスライスCTを3台、64列マルチスライスCTを1台導入し、高速撮影が可能、かつ1mm厚の薄い画像をルーチンで撮像しています。心臓や血管など3次元画像診断においてもより鮮明な画像を得ることができます。また交通外傷などの緊急疾患に対しても速やかに対応し、短時間で全身を撮像し診断・治療に貢献しています。

MRI

MRI(磁気共鳴画像)とは、磁気を利用した撮影装置で、体内の水素原子を画像にする装置です。X線を使用しないので被曝がなく、CTのように横断像のみならず任意の断面を撮影できる特徴があります。当院では超高磁場装置の3テスラMRIを3台、高磁場装置の1.5テスラMRIを1台導入しております。体内の様々な病巣を発見することができますが、特に脳神経領域、整形外科領域、消化器科領域、婦人科領域、泌尿器科領域などの病巣、たとえば脳血管障害、脳腫瘍、椎間板ヘルニア、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がん、子宮がん、卵巣腫瘍、前立腺がんなどに有効です。さらに急性期脳梗塞を中心とした緊急疾患に対して24時間体制でMRIの撮像を行っています。また従来から使用されている主に血流を評価するMRI用造影剤(CTで用いられる造影剤とほぼ同じ用途です。)に加えて、肝細胞やクッパー細胞といった特定の組織(臓器)のみを造影することができる造影剤も積極的に使用し、肝細胞がんをはじめとする肝腫瘍の診断能の向上に努めています。

核医学検査

放射線(核医学)機器写真

核医学検査では、特定の臓器や腫瘍に集まる医薬品を放射性物質(RI)で標識(くっつけること)し、放射性医薬品として静脈注射または経口にて投与します。病院で使用するRIの薬の量は微量で、安全性が高く、体からの排泄も速いため、被曝による体への影響の心配はありません。検査目的によって使用するRIの薬は異なり、その薬が目的臓器に分布してガンマ線を放出します。そのガンマ線をシンチカメラと呼ばれる測定装置で体外から測定して画像化します。当院ではSPECT(スペクト)装置を2台、半導体PET(ペット)装置を1台導入し、放射線被曝の軽減と病変の検出能の向上に努めています。

骨塩定量

骨塩定量のうち、DXAとは、X線が物質内で減少する比率が物質の密度に依存することを応用して骨の密度を測定する検査です。骨塩定量では、腰椎(腰骨)、大腿骨近位部(股の付け根)、橈骨遠位部(手首)、踵骨(かかとの骨)が測定対象となる部位です。
なお、大腿骨の構造解析(HSA)が可能で、骨折しやすいかどうかの判断に使います。
当科は日本で最も古くから骨塩定量を始めた施設です。

診療部長・責任者

玉田 勉
部長(教授) 玉田 勉 Tsutomu Tamada
専門分野 腹骨盤部画像診断、泌尿生殖器のMRI診断

認定医・専門医・指導医 日本医学放射線学会放射線診断専門医、日本医学放射線学会研修指導者、肺がんCT検診認定医

出身大学
川崎医科大学 H5.3 卒業
福倉 良彦
部長(教授) 福倉 良彦 Yoshihiko Fukukura
専門分野 総合画像診断、CT、MRI、核医学全般

認定医・専門医・指導医 ⽇本医学放射線学会放射線診断専⾨医、⽇本医学放射線学会研修指導者、⽇本核医学会核医学専門医、⽇本核医学会認定PET核医学認定医

出身大学
鹿児島大学 H4.3 卒業

主な対象疾患

関係する症状

当科は原則的に内科や外科など各診療科に依頼されて検査、画像診断、治療を行います。まずは、症状に合った診療科(他科の内容をご参照ください)を受診され、その後、担当医から当科への受診をご依頼いただくことが多い科です。
また、セカンドオピニオンとして主に画像に対するご相談もお受けしております。

治療している主な病気

IVRによる治療

良性疾患
内臓動脈瘤、外傷による出血、消化管出血、喀血、鼻出血、産後出血
悪性疾患
頭頸部腫瘍、転移性肝腫瘍、肝細胞がん

核医学治療・RI内用療法

 

バセドウ病、骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん

専門診療・専門外来

  • IVR外来(日帰りIVR外来)

IVR(Interventional Radiology)とは画像診断(X線透視、超音波、CT、MRI等)を見ながらカテーテル、穿刺針を用いて施行する治療法のことで、「画像下治療」と呼ばれています。IVRは外科的手術に比べて低侵襲で、全身麻酔を必要としないことからも身体に対する負担が少なく、迅速かつ正確に病気の治療ができるなどの特徴を持っています。
当科では各種がん治療、内臓動脈瘤などの血管病変、中心静脈ポート留置術などの血管系IVRや膿瘍に対するドレナージ術、組織生検などの非血管系IVRを行っています。その他に外傷等による出血性病変に対しても各科と連携を取りながら治療を行っています。
中心静脈ポート留置など日帰りで行っているものもあります。

セカンドオピニオン外来

本院以外の医療機関にかかられている方を対象に、主に画像に対する診断に関して、意見を提供することを目的とした外来です。より多くの医師の意見をもとにより良い治療につながる診断のお手伝いをします。

RI内用療法外来

RI( 131 I)によるバセドウ病の治療を⾏います。(火曜⽇・午前)
RI(223 Ra)による去勢抵抗性前立腺がんの⾻転移の治療を⾏います。(火曜⽇。予め当科にご相談ください。主治医からの紹介が必要です。)

実績

2022年度

患者数(延べ) 外来患者数 1,326人
入院患者数 173人

詳細は年報をご覧ください。