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脳神経内科

フロア案内
  • ≪外来≫脳神経センター外来 2階
  • ≪病棟≫脳神経センター病棟 11階
川崎医科大学 神経内科学教室

更新:2023年4月1日

特徴・特色

頭痛、めまい、手足のしびれといった日常よく経験する症状から、ものわすれ、手足が使いにくい・力が入らない、歩きにくい、しゃべりにくい、痙攣、意識障害といった重篤な症状まで幅広く診察します。疾患も片頭痛、頚椎症といった一般的な病気から、てんかん、髄膜炎、ギランバレー症候群などの神経救急疾患、アルツハイマー病やパーキンソン病などの神経変性疾患、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、炎症性末梢神経障害、筋ジストロフィーなどのまれな神経難病を扱っています。神経疾患は必ずしもCTやMRIなどの画像検査で異常を認めないものも多く、そのような神経や筋⾁の病気でも正確に診断し適切な治療につなげていきます。

当科における筋電図などの電気生理学検査はわが国でも有数の水準にあります。多発性硬化症などの中枢神経疾患や脊疾患の診断に有⽤な体性感覚誘発電位(SEP)検査、視覚誘発電位(VEP)や磁気刺激誘発電位(MEP) 末梢神経疾患に対する神経伝導速度検査や筋疾患の診断に必須である針筋電図などを⾏っています。筋疾患や遺伝性脊髄⼩脳変性症、家族性パーキンソン病などの遺伝性疾患に対しては、必要に応じて遺伝子診療部や国内外の他施設とも連携を行い遺伝⼦診断を実施します。

神経難病をはじめとする神経筋疾患では、まだ根本的な治療法が確⽴していないものも多く、⻑期の療養が必要になる場合もあります。このような治療の難しい疾患であっても、リハビリテーションや社会資源の活用と多職種連携チームによるサポート体制を構築し、決して諦めずできる限りのケアとサポートをさせていただくことをモットーとしています。

特殊検査

脳血流シンチ検査
特殊な統計解析ソフトe-ZISを利用して、アルツハイマー病などの神経変性疾患の早期診断を行っています。
筋電図・単線維針筋電図
筋電図は⿇痺や筋⼒低下の原因を突き⽌めるために必須の検査であり、単線維筋電図は重症筋無力症の⾼感度診断を可能にします。これらの検査は熟練した専⾨医によって行われます。
神経心理検査
認知症、失語・失行・失認など高次脳機能障害の診断と評価のため、専門医が様々な神経心理検査を行っています。
遺伝子診断
筋ジストロフィー、脊髄小脳変性症、若年性パーキンソン病、脊髄小脳変性症などの遺伝子診断を行っています。

診療部長・責任者

三原 雅史
部長(教授) 三原 雅史 Masahito Mihara
専門分野 神経疾患全般、神経変性疾患(パーキンソン病など)、リハビリテーション

認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本神経学会認定神経内科専門医・指導医、日本リハビリテーション医学会認定リハビリテーション科専門医・指導医、日本脳卒中学会認定脳卒中専門医、日本認知症学会専門医・指導医

出身大学
大阪大学 H11.3 卒業

主な対象疾患

関係する症状

  • 頭痛、めまい、しびれ、ふるえ、ものわすれなど日常の生活で時々経験する症状
  • 手足に力がはいらない動きにくい、しゃべりにくい、物が二重に見える、歩くとふらつく、感覚がにぶいなどの神経が関係すると思われる症状
  • 痙攣を起こしている、意識がない、経験したことのない激しい頭痛などの緊急の治療を必要とする症状

治療している主な病気

神経内科では脳や末梢神経、筋肉が障害されて生ずるいろいろな種類の病気を診察し治療しています。ストレス、心身症、精神症状を扱う心療科や精神科とは対象疾患が異なります。

認知症(アルツハイマー病など)
もの忘れなどの記憶障害が症状の主体です。認知症の原因となる病気も多種多様で、アルツハイマー病、レビー小体病などの進行性の疾患以外にも治療可能な疾患による場合もあり、早期診断が重要です。症状の進⾏を抑える薬剤も開発が進んでおり、適切な治療のためにも専⾨医による正確な診断が必要になります。
パーキンソン病
ふるえる、動作が遅くなる、⼿⾜が動かしにくい、転倒しやすいなどの運動障害が主症状ですが、しびれやうつ症状、立ち眩み、集中力の低下などの非運動症状も早期から目立ちます。特に運動症状は抗パーキンソン薬で症状が改善することから、早期診断・早期治療が重要です。また、リハビリテーションや運動療法などの非薬物治療や新後期の患者様への脳深部刺激療法(DBS)や空腸持続投与療法を含むデバイス補助療法についても適応を検討します。
頭痛
慢性頭痛は片頭痛と緊張性頭痛に大別でき、薬でコントロールすることが可能です。⽚頭痛は効果の⾼い薬剤が開発され、生活の質(QOL)改善の助けとなっています。また頭痛のなかにはクモ膜下出血など緊急性を要する急性頭痛もあり、専門医による正確な診断が必要です。

その他

てんかん
髄膜炎、脳炎、ギランバレー症候群などの神経救急疾患
多発筋炎、筋ジストロフィー症、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、多発性硬化症などの神経難病
末梢神経の病気
眼瞼痙攣や痙性斜傾等の不随意運動

専門診療・専門外来

パーキンソン病外来
ふるえや体の動きが鈍くなるパーキンソン病の診断と治療を専門的に行います。進行期の患者さんに対する脳深部刺激療法(DBS)やレボドパカルビドパ経腸療法 (LCIG)などのデバイス補助療法(DAT: device aided therapy)を含めた特殊治療の適応についても検討します。(木曜日・午前)
もの忘れ外来
もの忘れは認知症の初期症状かもしれません。認知症の原因としてはアルツハイマー病、レビー小体病などの進行性の疾患以外にも治療可能な疾患による場合もあり、早期診断が重要です。症状の進⾏を抑える薬剤も開発が進んでおり、専⾨医による正確な診断による早期治療が重要になります。(月・火曜日午後・金曜日午前)
ボトックス外来
眼瞼痙攣や痙性斜頚などの不随運動に対して、ボツリヌス毒素(ボトックス)注射による専門的治療を行っています。(水曜日・午後)
片頭痛・てんかん外来

慢性頭痛の一種である片頭痛は近年有効性の高い予防薬・発作頓挫薬が開発されています。また、てんかんも近年新たに発売された薬剤によって発作抑制効果が改善し、患者さんの生活の質向上に役立っています。これらの疾患を対象に画像検査や電気生理学的検査を含めた専門的診断・治療を行っています。(土曜日・午前)

実績

2021年度

患者数(延べ) 外来患者数 14,825人
入院患者数 4,295人

詳細は年報をご覧ください。