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病院長挨拶

理想的な医療の提供をめざして

永井病院長写真_2023.4.1

 川崎医科大学附属病院は、1973年に開設され、2023年に創立50周年を迎えました。開設以来、地域の基幹病院として医療の発展と患者さんへの安心・安全な医療の提供に努めています。1994年には特定機能病院の承認を受けています。特定機能病院とは、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発と評価、高度の医療に関する研修、高度な医療安全の確保等が整備されている病院として、厚生労働大臣により承認されるものです。全国では80数施設が認定されています。たとえば、医療従事者の配置においても、患者さん一人に、より多くの人数を当てるよう手厚い基準が設けられています。高度な先進医療そして幅広い総合的な診療を提供しながら、患者さんとより密接な関係と信頼性を築き、ともに歩んでいく病院として日々努力しています。
 さらに当院は、地域がん診療連携拠点病院、高次脳機能障害支援普及事業における支援拠点機関、災害拠点病院、エイズ治療中核拠点病院など、数々の指定を受けています。また、良医や良き医療人を育てる教育病院でもあり、川崎学園として自らの施設で医師や医療従事者を生み出し、育てることのできる施設として、地域の皆様とともに歩んでいます。日本医療機能評価機構の認定も受け、日々充実した医療の提供に邁進しています。
 学園創設者であり、自ら初代病院長を務めた川﨑祐宣が掲げた「医療は患者のためにある」の信条が当院の基本理念であり、この方針を貫くために、全職員が一丸となり努力をしています。また、「24時間いつでも診療を行う」という理念は、当初から救急医療を重視してきた原点でもあります。1994年に高度救命救急センターが開設され、従来の重症救急患者に加え、熱傷、中毒などのより高度で特殊な重症患者も受け入れています。2001年には日本で初めてのドクターヘリの運航が開始されました。当院が救急医療に注力している証です。
 そして、「すべての患者に対する深い人間愛を持つ」という理念こそ、医療技術が劇的に進化した現在において、医療者が大切にしなければならないものであると思っています。人口の減少と超高齢化、そして出生率の急激な低下により、医療現場は厳しい局面を迎えています。地域医療構想と医師の偏在解消対策、そして医師・医療従事者の働き方改革を三位一体で国が推進している現在、地域住民の理解も得ながら、川崎医科大学附属病院の在り方を考え続けて参りたいと思います。 当院は次の50年の歩みに向けて、病院の理念を継承しつつ、医療環境の変化にも柔軟に対応しながら、この先も高度で良質な医療を提供して参ります 。