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腎センター

フロア案内

更新:2023年4月1日

センター長
佐々木 環腎臓内科 部長

県内外の腎不全患者に対する血液透析治療の導入期を担当しています。同時に、様々な透析合併症に対する検査や治療(特に手術)を目的に入院される維持期透析患者にも安全かつ最新の医療の提供を行っています。また、在宅療法として期待される腹膜透析治療にも力を注いでおり、積極的な治療導入と、維持期には食生活と日常生活などをきめ細かく把握し、腹膜機能の評価を適時施行するなどの専門の外来診療を担当しています。

その他、麻酔・集中治療科救急科との連携により術後急性腎不全、敗血症性ショックなどを始めとした重症病態に対する持続的血液浄化療法(CBP)を積極的に施行しており、良好な治療成績をおさめております。潰瘍性大腸炎や家族性高コレステロール血症、劇症肝炎や血液疾患などに対し、多岐に渡る特殊血液浄化療法にも広く対応しています。

特徴・特色

当センターは透析装置19台(多人数用透析装置15台、個人用透析装置4台)を保有し、最大57名の透析治療に対応可能です。とくに、心血管系疾患や低栄養、感染症などを合併した重症度の高い透析患者に対応するため、最新医療機器が配備されています。
スタッフ数
腎臓内科医師14名、看護師15名、臨床工学技士6名、管理栄養士2名
資格
透析専⾨医3名、透析技術認定⼠4名、慢性腎臓病療養指導看護師1名、腹膜透析指導看護師5名、認定血液浄化臨床工学技士2名、血液浄化関連専門臨床工学技士1名、腎代替療法専門指導士4名、透析療法指導看護師2名、糖尿病療養指導1名、腹膜透析指導看護師9

CKD(慢性腎臓病)教室

CKD(慢性腎臓病)は、ほとんど自覚症状がなく進行します。大切なことは、CKDが適切な治療を継続的に受けることによって、病期の進行を遅らせ、合併症の発症を予防できるという事です。患者さんの外来診療日に合わせて、個別的に教室を開催しており、検査の結果や治療の経過を確認しあって腎臓病の生活や治療をサポートしています。腎臓のはたらき、腎臓の検査、薬物・食事療法、日常生活の注意点、腎代替療法について、ご家族を含めて理解できる教室です。

療法選択外来

慢性腎臓病が進行すると、腎臓の働きを他の方法で代わりをする治療(腎代替療法)が必要となります。具体的には血液透析、腹膜透析、腎移植の3つの方法があります。療法選択外来は、患者さんの腎代替選択の意思決定をサポートするための特殊な外来です。患者さんのライフスタイルやご家族のサポート体制等を把握しながら,十分な情報を提供し,共に考える外来を目指しています。

CAPD外来

当院では在宅療法として、腹膜透析治療(CAPD)も積極的に導入しており、専用のCAPD室を設置しています。毎週火曜日・木曜日に行っており、CAPD導入や合併症治療などきめ細かい指導を行っています。
CAPD外来では、退院時訪問も実施しています。CAPD導入の患者さんに対して、生活環境の調整、患者・家族の手技に対する不安の軽減、地域における円滑な在宅医療への移行などの支援のために自宅を訪問し療養上の指導を行っています。また、地域の医療者と情報共有しながら患者さんの生活を支えていけるように頑張っています。

シャント外来

良い透析療法にはシャントの管理が重要です。近年、透析患者の高齢化に伴いシャントのトラブルが急増しています。シャント機能の低下は透析効率の低下を来たし、日常生活に悪影響を及ぼすとともに、シャント閉塞の危険性が高まります。この問題に対してわれわれの施設ではシャント外来を開設し、透析効率や超音波エコー検査などを指標にシャント機能評価を行い、必要に応じて経皮的血管形成術(PTA)を施行しております。同時に高齢者の透析導入患者が増加し、透析用シャントの作成が困難な場合も増え、個々の患者に適したブラッドアクセスの検討を行っています。その方法の一つとして、長期留置型カテーテルを選択される機会が増えています。このカテーテルは、大きな問題がなければ数か月~数年にわたり同一のカテーテルで透析を行うことが可能です。カテーテルは挿入直後より使用可能であり、通院透析での使用も可能です。留置は透視装置のある手術室で行いますが,局所麻酔で行うため大きなリスクや侵襲はなく日帰りも可能です。

教育認定施設

大学病院として将来の良質な透析医療従事者の育成の場を提供し、川崎医科大学 をはじめ、川崎医療福祉大学 川崎医療短期大学 などの学生臨床実習のみならず、日本透析医学会指定の教育認定施設として、日本腎臓財団の透析療法従事職員研修実習者を積極的に受け入れており、長年にわたり中四国における透析療法教育施設として中心的な役割を担っています。また、平成22年からは日本腹膜透析医学会(JSPD)よりCAPD教育認定施設として認定されました。それに伴い月に一度(第3週水曜日・木曜日の2日間)、認定トレーニングプログラムを開催しております。受講されるとJSPD認定の腹膜透析認定指導看護師の資格セミナーへの参加資格が取得できます。ご希望の方は、日本腹膜透析医学会のホームページの申し込み用紙より、FAXにてお送りください。

主要機器設備

当センターでは、重症患者に対する血液浄化法を施行することが多いため、最新の医療機器を駆使し、安全かつ効果的な透析治療の提供を行っています。 

超音波血流計

超音波血流計

バスキュラーアクセス(VA)機能評価として、VA実血流量や再循環を測定できる透析モニターHD03を使用することにより、 VA管理に臨床工学技士が積極的に関与しています。このような取り組みを通じて、患者さんに適切な透析量を実現することができ、透析不足や合併症などを引き起こさないように努めています。

重症患者用個室

スタッフステーションに隣接した場所に、2床の重症患者用隔離個室が用意されており、中の様子を常時観察することができる配置になっています。
また、感染制御室に透析配管を設置し、陰圧個室にて空気感染症の患者さんに透析を行えるように準備しています。

患者情報監視装置

心血管系合併症を有している透析患者が多いため、心電図、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)、呼吸回数等の生体情報を、常時、監視することができる装置を2台(最大12名を監視可能)保有しています。この装置により透析中に生じる不整脈や呼吸状態の監視が可能となります。

透析液清浄化への取り組み

近年、透析液清浄化を行うことにより、透析アミロイドーシスの発症抑制効果や、貧血、栄養状態、透析中の血圧低下の改善効果が報告されています。当センターでは、透析機器安全管理委員会を設置し、透析液中のエンドトキシン活性や生菌数のモニタリングを行うことで、透析液の品質を管理し、患者さんが安心して透析を受けることができるように努力しています。また、全自動透析装置(on-line HDF対応機)17台設置しており、日本透析医学会の『2016年版透析液水質管理基準』を満たした清浄度の透析液を供給しています。

特殊血液浄化装置

特殊血液浄化装置

当センターは、血液浄化装置(ACH-Σ)1台、血漿浄化装置(MA-03)1台を配備しており、劇症肝炎や自己免疫性疾患に対する各種血漿交換療法(PEx.DFPP.PA.etc)、潰瘍性大腸炎に対する顆粒球除去療法(G-CAP)、悪性関節リウマチに対する白血球除去療法(L-CAP)、家族性高コレステロール血症やネフローゼ症候群にするLDLコレステロール吸着療法(LDL-A)、難治性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)など多岐にわたる特殊血液浄化療法にも積極的に対応しています。治療中はクリットラインモニタを用いることで、血管内容量(ブラッドボリューム)の変化も、経時的に確認を行っています。

持続的血液浄化装置

集中治療室(ICU)にて、術後急性腎不全や敗血症性ショックなどの重症患者に対して、持続的血液浄化療法(CBP)の技術提供を行っております。なかでも、通常のCHDより、多い透析液流量を用いることで、敗血症性ショックから早期に離脱でき、良好な治療成績が得られています(high flow CHD)。また、患者さんの状態が安定し、集中治療室を退出された後も、当センターにて引き続き安全に治療が行えるよう、ICUと密なる連携のとれた診療体制を整えています。

持続的血液浄化装置2 持続的血液浄化装置

実績

2021年度

外来透析 17人
入院透析 492人
透析導入 50人
外来腹膜透析 44人

詳細は年報をご覧ください。