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086-462-1111(代表)

整形外科

フロア案内
  • ≪外来≫皮膚・運動器センター外来 4階(44)
  • ≪病棟≫皮膚・運動器センター病棟 13階
オリジナルホームページ

更新:2022年4月1日

整形外科は、運動器に生じた疾患、外傷を取り扱う診療科です。運動器とは骨、関節、筋肉、靱帯、さらにこれらの運動や感覚を司る脊髄、末梢神経などを示します。

脊髄・脊椎疾患の代表的な疾患として頚髄症や腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症等があります。その手術は脊髄周囲を操作したり、脊髄を直接処置したりと非常にデリケートです。それぞれの疾患の状態を十分に評価し、神経への圧迫を取り除いたり(除圧術)、脊椎を金属で固定したり(固定術)します。特に除圧術の際は低侵襲と安全面の両方を考慮し内視鏡や顕微鏡を用いて手術を行っています。また、近年高齢者の寝たきりの原因となっている脊椎椎体骨折に伴う偽関節や変形に対しては金属内固定(脊椎インスツールメンテイション)を併用した脊椎矯正固定術、人工骨ペーストを注入する椎体形成術を行っています。症例に応じて胸腔鏡を用いて出来るだけ低侵襲で手術を行うように努力しています。

上肢の疾患および外傷には従来から骨折や腱損傷、末梢神経障害、関節リウマチに伴う障害などがあります。日本手外科学会専門医が1名在籍し、上記の疾患に幅広く対応しています。特に外傷による手指切断例に対するマイクロサージェリーを用いた再接着手術は過去1000例を超える実績があり、再接着率90%以上と良好な成績を残しています。

関節の疾患は多種多様です。肩、肘、手関節などの上肢の関節に対しては主に手外科専門医が対応します。近年は上肢の関節でも関節鏡を用いた手術が多くなってきています。下肢の関節には股、膝、足関節があります。若年者ではスポーツ外傷が、高齢者では変形性関節症や関節リウマチによる障害が問題となることが多いです。股関節や膝関節などの下肢の関節に対しては状況に応じて色々な治療法があります。臼蓋形成不全症などを有する初期の変形性股関節症では関節の温存を目的とした自骨手術(骨盤や大腿骨の骨切り手術)を行っています。病期の進行した股関節と膝関節に対しては、身体に侵襲が少なく回復の早いMIS(最少侵襲手術)人工関節手術を行っています。股関節の人工関節の特徴としてコンピューターを利用したナビゲーション手術を積極的に導入しています。膝関節の人工関節の特徴として変形した部位のみを置換する人工膝関節単顆置換術(人工膝関節片側置換術)を積極的に行っています。これまでの人工膝関節全置換術に比べ侵襲が少なく、早期に日常生活に復帰出来る傾向にあります。

加齢による足の変形(O脚など)や骨折後の変形治癒に対しても、創外固定や内固定器具を用いて変形の矯正を行っています。外反母趾や内反足、尖足変形に対する腱や骨の手術も行っています。

特徴・特色

超高齢社会に対して

超高齢社会に伴い、膝関節や股関節、脊椎の変性疾患が非常に多くなっています。特に変形性股関節症・膝関節症、脊柱管狭窄症の患者さんが増加傾向にあります。これらの疾患においては、正確な診断を行い、まずは各種の保存治療(薬物療法、ブロック療法、理学療法)を行います。これらが無効もしくは保存治療効果が短期間である場合には、詳しい病状説明を行い、患者さんの同意が得られた場合には積極的な外科的治療を行っています。手術に当たっては、十分な術前検査と綿密な手術計画の上、手術を行います。

高度救急救命センターの併設

交通外傷などの多発外傷に対しては、当院救急科と協力し治療を行います。また、開放骨折や神経・血管損傷がある場合には、出来るだけ早急な処置が必要になります。このような患者さんに対しては、ヘリコプター(ドクターヘリ)による搬送も可能となっています。

リハビリテーション科の併設

整形外科診療においては、術後のリハビリテーションが重要であることはもちろんですが、予定手術を行う患者さんでは術前から、外傷などの患者さんでは受傷直後から積極的なリハビリテーション実施の有効性が知られています。当科ではリハビリテーション科と協力し、可能な限り早期からのリハビリテーションを行っています。術後の状態によってはリハビリテーション科に転科し、更なるリハビリテーションを行う場合もあります。リハビリテーション科入院中にリハビリテーションのゴールを設定し、家屋の改造等のアドバイスを適切に受けることができます。また患者さんの希望される後方支援病院に転院し、リハビリテーションの継続を行うことも可能となっています。

診療部長・責任者

三谷 茂
部長(教授) 三谷 茂 Shigeru Mitani
専門分野 股関節外科・小児整形

認定医・専門医・指導医 日本専門医機構認定整形外科専門医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本体育協会公認スポーツドクター

出身大学
岡山大学 S62.3 卒業
長谷川 健二郎
部長(教授) 長谷川 健二郎 Kenjiro Hasegawa
専門分野 手の外科、四肢先天異常、四肢再建、マイクロサージャリ―、リンパ浮腫

認定医・専門医・指導医 日本専門医機構認定整形外科専門医、日本整形外科学会認定スポーツ医・認定リウマチ医・認定脊椎脊髄病医、日本手外科学会手外科専門医、日本形成外科学会認定形成外科専門医

出身大学
川崎医科大学 S60.3 卒業
難波 良文
部長(教授) 難波 良文 Yoshifumi Namba
専門分野 下肢の人工関節(特に股関節、膝関節の最小侵襲手術)

認定医・専門医・指導医 日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本リウマチ学会専門医・指導医、日本リウマチ財団登録医、日本体育協会公認スポーツドクター

出身大学
岡山大学 H5.3 卒業

主な対象疾患

関係する症状

外傷による痛み・しびれ
打撲傷、骨折、捻挫など
各関節痛(肩・肘・股・膝等)
肩が挙がらない、歩くと関節が痛いなど
四肢運動障害・感覚障害
歩きにくい、足や手がしびれる、字が書きにくい
運動・仕事での反復運動による痛み・違和感
腰痛、背部痛、肩こり

治療している主な病気

頚椎の脊椎疾患
頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症、頚椎症性筋萎縮症、後縦靱帯骨化症、リウマチ性頚椎病変など

主な症状 手足が動かしにくい、手足がしびれる、歩きにくい、首の周囲もしくは上肢への強い痛み、首が曲がっている

腰椎の脊椎疾患
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離症・分離すべり症、化膿性脊椎炎、転移性もしくは原発性脊椎腫瘍、馬尾・脊髄腫瘍など

主な症状 腰痛、臀部から下肢への痛み、下肢のしびれ、歩きにくい、下肢の脱力、発熱など

脊柱の変形
側弯症(特発性側弯、先天性側弯、機能性側弯、変性側弯)

主な症状 背骨が曲がっている、検診などで指摘された

股関節の疾患
変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、リウマチ性股関節障害、先天性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症、股関節脱臼骨折など

主な症状 股関節(足の付け根)の痛み、歩き方がおかしい、股関節の動きが悪い

膝関節の疾患
膝関節の靱帯損傷(内・外側側副靱帯損傷、前・後十字靱帯損傷)、半月板損傷、変形性膝関節症、リウマチ性膝関節障害、膝蓋骨骨折、膝蓋骨脱臼・亜脱臼など

主な症状 膝が痛い、膝が腫れている、膝に水がたまる、膝が曲がらない・伸びない、膝の中で引っかかっている感じがする、歩行時に膝がぐらぐらする

下腿、足関節・足部の疾患
下腿骨の骨折、腓骨神経麻痺、足関節周囲の骨折・靱帯損傷、アキレス腱断裂、変形性足関節症、足根管症候群、リウマチ性足障害、内反足、扁平足、外反母趾など

主な症状 下腿・くるぶし周囲の痛み、下腿・くるぶし周囲が腫れている、足の痛み、足のしびれ

肩関節周囲の疾患
肩関節外傷性脱臼、反復性肩関節脱臼、腱板損傷、肩関節周囲炎、リウマチ性肩関節障害、鎖骨・肩胛骨骨折、胸郭出口症候群など

主な症状 肩の痛み、肩が挙がらない、上肢のしびれ

上腕および肘関節の疾患
上腕骨骨折、肘関節周囲の骨折・靱帯損傷、肘関節離断性骨軟骨炎、変形性肘関節症、リウマチ性肘関節障害

主な症状 上腕および肘周囲の痛み、腕および肘周囲の腫脹、肘が曲がらない

前腕、手関節、手指の疾患
前腕骨の骨折、正中神経・尺骨神経麻痺、舟状骨骨折、キーンベック病、手根管症候群、腱断裂、ばね指、手指の外傷性切断、ガングリオン、リウマチ性手指関節障害

主な症状 前腕、手関節、指の痛みや腫れ、手・指が動きにくい、手・指のしびれ、指が伸びない、曲がらない

骨系統疾患、代謝性骨疾患
軟骨無形成症、大理石骨病、くる病、骨軟化症、骨粗鬆症など

主な症状 骨折しやすい、手足の変形、骨の痛み

筋・神経疾患、末梢循環障害・壊死性疾患
他科(神経内科心臓血管外科)と併診させていただきます。

専門診療・専門外来

  • 脊椎脊髄外科、低侵襲脊椎外科
  • 股関節・膝関節外科、人工関節
  • スポーツ障害・外傷
  • 手の外科、マイクロサージャリー

受診の際のお願い

  • 予約のない患者さんは、当日受診ができない場合があります。必ず、予約センター(TEL:086-464-1548)で予約をしておいでいただきますようお願い申し上げます。
  • 紹介状をお持ちの患者さんで、当院の受診が初めての方は、地域医療連携室(TEL:086-462-1111(代表)内線22611)にて予約をおとり下さい。
  • 紹介状のない患者さんもできるだけ、かかりつけ医または近医を受診し、紹介状ご持参とともに、予約をしておいでいただきますようお願い申し上げます。
  • 緊急を要する場合、通常の診療時間内に直接整形外科の外来までご連絡下さい。
  • 内服薬が他院より処方されている方はお薬手帳などを持参し、医師に現在の内服薬を提示できるようにして下さい。

実績

2020年度

患者数(延べ) 外来患者数 28,813人
入院患者数 27,797人

詳細は年報をご覧ください。