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不整脈

更新日:2020/04/27

不整脈とは

心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割をしています。
そのポンプを動かしているのは電気刺激で、電気刺激が正常な刺激伝導系を通って心臓全体に伝わることで、ポンプが規則正しく動きます。
 
脈とは、心臓を伝わる電気刺激が正常な経路を通って心臓が収縮し、体に押し出される血液の拍動が血管に伝わって感じられるものです。
安静時の通常な脈拍数は1分間に50回から100回と言われており、正常な脈は規則正しいリズムで伝わります。
不整脈_脈拍

不整脈とは、電気刺激が正常に伝わらなくなり、脈が乱れて不規則になることを指します。
脈拍数が異常に速くなること頻脈、逆に異常に遅くなることを徐脈と言います。

不整脈には色々な種類があります。
自覚症状は、脈が不規則で乱れている・胸がドキドキする・頭がふわーっとする・息切れ・気を失って倒れるなど、不整脈の種類によって異なります。
このような症状を自覚したら、循環器内科を受診してください。
また、無症状で経過することもありますので、定期的に健診を受けることをおすすめします。
不整脈_アイコン

不整脈の種類と自覚症状

期外収縮(上室性期外収縮・心室性期外収縮)

 無症状の場合が多いですが、脈が飛ぶ感じがする・一瞬ドキッとするなどの自覚症状もあります。
健診で指摘されることがよくありますが、ほとんどの場合、単発で治療が不要であることが多く、特に心配ない不整脈です。
ただし、中には頻繁に期外収縮が出たり連発していることもあるので、症状がない場合でも健診で精密精査をすすめられたら受診してください。

頻脈性不整脈(心房細動・発作性上室性頻拍・心室頻拍・心室細動)

■ 心房細動
無症状で経過することも多いですが、ドキドキする・脈が不規則・息切れなどの自覚症状が出ることもあります。
発症してもすぐ死に至ることはまずありませんが、持続すると心房の中で血液の塊である血栓ができやすくなり、それが脳の血管につまると脳梗塞を起こす可能性があります。
そのため、血液の流れを良くする薬が必要になる場合があります。

■ 発作性上室性頻拍
急に胸がドキドキした後、突然おさまって楽になります。
自覚症状が強い方は、息切れや頭がふわーっとしたり、症状が長時間持続することもあります。
意識を失うこともありますが、基本的には死に至る不整脈ではありません。
頻繁に発症したり自覚症状の強い方はカテーテルアブレーションが有効です。

■ 心室頻拍・心室細動
有脈性心室頻拍はドキドキとした動悸が持続します。長時間持続すると血液が全身にまわらなくなり、脈が触れない無脈性心室頻拍になると気を失って倒れることがあります。
また、心室細動になると数秒で意識を失いそのまま死に至りかねない危険な不整脈です。
無脈性心室頻拍と心室細動はともにAEDが必要な不整脈です。

徐脈性不整脈(洞機能不全症候群・房室ブロック)

頭がふわーっとする・急に意識を失って倒れる・脈がゆっくり・息切れなどの自覚症状があります。
洞機能不全症候群、房室ブロックはともに、心臓の電気刺激が障害され、心臓の動く回数が低下する病気です。
脈がゆっくりになって心臓が動かない時間が長いと、体に血液を送れなくなり頭がふわーっとしたり意識を失って倒れることもあります。
両疾患ともにペースメーカーが必要な不整脈です。

不整脈の検査


不整脈の検査は、心電図・ホルター心電図・運動負荷心電図・心エコー検査などがあります。
ますは、健診でも行う心電図の検査をします。
1回の心電図で異常がなかったとしても、不整脈ではないとは言えません。
特に症状ある方は、病院に受診したときには症状がなく、仕事中など病院外で症状がでる場合が多いです。
ホルター心電図は、携帯式の小型の心電計で24時間心電図記録が可能な検査です。
装着している間、入浴やシャワーはできませんが、運動や仕事など普段の生活をしている中での心電図が記録でき、症状と不整脈の関係や不整脈の種類、頻度などがわかります。
運動負荷心電図は階段昇降やベルトの上を歩きながら心電図を記録する検査で、動いているときに症状がある場合に有効です。
心エコー検査は、心臓の形態や動きをみる検査で心臓に病気があるかを見つけることができます。
心臓に病気があると負担がかかり、不整脈になるリスクが高くなります。

不整脈_チェックリスト


K-style vol.62 2020春号より
K-style62

執筆者

部長(教授) 根石 陽二 Yoji Neishi
専門分野 虚血性心疾患、カテーテルインターベンション、不整脈、末梢血管インターべンション

認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターべンション治療学会認定医・専門医、ペーシングによる心不全治療登録医、着用型自動除細動器登録医、JMECCインストラクター、ICLSインストラクター、埋込み型除細動器登録医

出身大学
川崎医科大学 H8.3 卒業

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