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喘息

現代の喘息って?

「現代病」の一つとして、アレルギー疾患が増えており、2~3人に1人は何らかの
アレルギーを持っていると言われています。
呼吸器系へ表れる疾患の代表が「喘息」で、喘息の約7割がアレルギーと考えられます。
喘息の患者さんは増え続けており、成人の有病率は5%程度、日本の患者数は約450万人と
推定されています。
喘息といえば、子供に多く、夜中にゼーゼーという苦しい呼吸で寝られない病気を
イメージされる方も多いかと思いますが、最近ではこういった「古典的喘息」の症状を呈する方は一部です。
たとえば、ゼーゼー(喘鳴)のない、咳だけが主体の「咳喘息」とも呼ばれる病態や、
風邪をひいた後に咳が長引いたり、運動をした後に咳が出るのも喘息であったり、
高齢になってからも発症します。

  喘息アイコン

また、ある季節や時間帯によく咳が出たり、逆に自然に良くなったり、症状は本当に多彩です。
小児喘息のある方だと、一旦人しておさまっていても、また中高年以降に再燃することも多いのです。
思わぬ症状でも喘息の可能性があるので、担当の先生にしっかり相談しましょう。
当院でも、呼吸機能検査や呼気中一酸化窒素濃度測定など、喘息の診断のための検査は
そろえておりますが、これらはあくまで補助的で、診断・治療には総合的な判断と経験が必要になります。

喘息チェックリスト

今の喘息治療

かつては喘息の治療薬の主役は、気管支拡張薬でした。
狭くなった気管支を広げる効果はありましたが、これは一時的で、喘息が根本的に良くなることはなく、
喘息で亡くなる、いわゆる「喘息死」も多かったのです。
それから時を経て、喘息の基本的な病態は「気道の狭窄」より、むしろ「気道の炎症」という
認識に変わりました。
強力な抗炎症作用をもつ吸入ステロイド薬が治療の中心になり、これを長期管理薬(コントローラー)、
従来の気管支拡張薬を発作治療薬(リリーバー)として使用するのが標準的な治療スタイルになりました。
これにより、患者さんの喘息症状は飛躍的に改善し、多くの方が健康な人と変わらない日常生活を
送れるようになりました。
喘息死や、救急患者も激減しました。
「ステロイド」と聞くと、「副作用が強く怖い薬」と思われるかもしれませんが、
それは飲み薬や点滴で全身性に投与する場合で、吸入で使用することにより、副作用は局所的に
抑制することができるのです。
しかも吸入とは、多くの方がイメージする危機に薬液を入れて霧状にして吸うだけなので、
至って簡単であり便利に使用できるのです。

近年のトピックとしては、一部の治療で生物学的製剤という最新のバイオテクノロジーにより
開発された製品が抵抗性の「重症喘息」の患者さんの治療に用いられるようになったことです。
喘息の発作が減り、呼吸機能の改善が見られ、難治性だった患者さんの治療の大きな福音となっています。
今後も新薬が増えてくる予定で、明るい展望が開けており、さらに多くの喘息患者さんの
笑顔が見られることを期待しています。

喘息1



K-style vol.58 2019春号より
K-style58

執筆者

部長(教授) 小賀 徹 Toru Oga
専門分野 呼吸器疾患一般、閉塞性肺疾患(COPD・喘息)、睡眠呼吸障害

認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・指導医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本睡眠学会専門医、呼吸ケア指導士

出身大学
京都大学 H7.3 卒業

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