リハビリテーションセンター
更新:2023年4月1日
作業療法部門
更新 : 平成28年3月7日
業務概要
以下のようなことを目的として直接的・間接的にアプローチしていきます。作業療法(OT)では、運動機能や感覚機能・精神機能などの諸機能の回復や維持を目的とした作業および新たに獲得を促す作業を用いて、身体または精神に障害のある患者さん、高齢や手術によりからだが不自由になった患者さんなどに対して、その人らしい生活の獲得を図るために、治療、指導、援助を行います。
ここでいう作業とは、日常生活におけるすべての活動(食事・排泄・仕事・勉強・遊び・運動など)を指します。
- 身体機能の改善・維持
- 精神機能・心理面の回復および活性化
- 乳幼児の運動発達・精神発達の促進
- 日常生活活動の維持・改善
- 職業復帰の準備・援助
- 自動車運転再開に向けての検査・訓練
- 義手や手の装具などの作製・適合
- 趣味の開拓など生きがいづくり
- 家屋改造などの住環境整備の助言・指導
作業療法の対象疾患
作業療法部門の対象疾患です。乳幼児から高齢の方まで、対象疾患も多岐にわたっています。
- 脳血管障害、その他の脳疾患(頭部外傷、脳炎など)
- 脊髄損傷、その他の脊髄疾患(脊柱管狭窄症など)
- 発達障害、その他の小児疾患(脳性麻痺など)
- 神経および筋疾患(筋ジストロフィー、多発性硬化症、パーキンソン病など)
- 変形性関節症、関節リウマチ、その他骨、関節疾患(外傷を含む)
- 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、肺炎など)
- 循環器疾患(心筋梗塞など)
- 代謝疾患(糖尿病など)
- 切断(上肢・下肢)
- 手の外科(末梢神経損傷、腱断裂など)
- 悪性腫瘍の治療中、治療後
- 熱傷
- 精神障害(神経症、統合失調症など)
特徴や特色
平成14年度より「高次脳機能障害支援普及事業」の岡山県拠点病院に指定され、現在は「高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業」として、高次脳機能障害者へのそれぞれの状態に応じた適切な検査・治療の提供をはじめ、地域との連携、調整を行う役割などを担っています。
高次脳機能障害についてはこちらをご覧ください。
入院診療では、ICU・CCU・SCU・NICUなどの超急性期から回復期リハビリテーションまで実施しています。また、緩和ケアチーム・呼吸ケアサポートチーム(RST)や退院支援カンファレンスなどの各種カンファレンスへの参加、退院前訪問指導などの多職種連携を行いながら診療を行っています
主な検査器具等の紹介
上肢機能検査として簡易上肢機能検査STEF(Simple Test for Evaluation Hand Function)、ARAT(Action Research Arm Test)などがあります。
高次脳機能検査では、記憶障害の検査として、日本版リバーミード行動記憶検査RBMT(The Rivermead Behavioral Memory Test)、ウェスクラー記憶検査WMS-R(Wechsler Memory Scale-Revised)、注意障害の検査として標準注意検査法CAT(Clinical Assessment for Attention)、遂行機能障害の検査としてBADS(Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome)、知能検査として、WAIS-III(Wechsler adult Intelligence Scale-Third Edition)などがあります。
小児の検査では、日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査、日本版感覚統合検査、感覚プロファイル、日本感覚統合インベントリー、グッドイナフ人物画知能検査、フロスティッグ視知覚発達検査、KIDS乳幼児発達スケール、S-M社会生活能力検査 第3版などがあります。
主な医療機器・設備の紹介
作業療法室で特徴的な設備としては、日常生活の練習を行うための畳の部屋(和室)や浴室、台所、各種の木工道具を備えた木工室があります。
医療機器としては、自動車運転評価として使用しているCRT運転適性検査機(竹井機器)、Hondaセーフティナビ(本田技研)、低周波治療器:IVES(OG技研)、trio300/ESPURGE(伊藤超短波)があります。
また、重度障害者用意思伝達装置(スイッチ操作のみで文書や音声による意志伝達を可能にする装置)、パソコン(職業復帰訓練用として使用)、ポータブルスプリングバランサー(ハニーインターナショナル)、昇降式システムキッチン(調理台や棚の高さが体型に合わせて電動で昇降させることが可能)、小児用感覚統合用具(ボールプール、スウィング遊具、トランポリン)などがあります。
実習生の受入れと教育
作業療法部門では、川崎医療福祉大学、川崎リハビリテーション学院の2校から実習生の受け入れを行っています。各学年に応じて見学実習、評価実習、治療実習、長期臨床実習などがありますが、いずれも職業人としての基本的態度や作業療法の基本的知識、技術の習得、病院の組織、機能、管理運営について学ぶよい機会となっています。