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鼠径ヘルニアの治療について

鼠径ヘルニアの治療について

どういった症例に治療するの?


 鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、基本的には手術が唯一の根本的な治療法です。

 以下のような症例、患者さんには特に治療(手術)が推奨されます。
  • 鼠径部の膨らみや違和感が日常生活に支障をきたしている
  • ヘルニアが次第に大きくなってきている
  • 嵌頓(かんとん)リスクがある(膨らみが戻りにくい、痛みがある)
  • 腸閉塞などの合併症を伴っている
  • 若年者や活動的な生活を送る人(将来的なリスクを減らすため)

 一方で、高齢や基礎疾患によって全身麻酔が危険な場合は、慎重に手術の適応を判断します。
 (経過観察や対症療法も検討)

治療はどういった内容なの?


 鼠径ヘルニアの治療は、基本的に手術によって脱出した内容物を元の位置に戻し、腹壁を補強することが目的です。

 治療には以下の手順が含まれます。
  1.ヘルニア内容(腸や脂肪)の整復(押し戻す)
  2.弱くなった腹壁の修復
  3.メッシュ(人工補強材を使用している布)を使用(必要に応じて)
  4.傷口の閉鎖と止血

 痛みが少なく、日帰り手術が可能な「腹腔鏡下手術」も近年増えています。

どのような治療法があるの?


 治療法には主に以下の2種類があります。

 鼠径ヘルニア 治療方法

手術の合併症、後遺症はあるの?


 鼠径ヘルニア手術は比較的安全ですが、以下のような合併症や後遺症のリスクがあります。

 鼠径ヘルニア手術後の合併症・後遺症
 
 * 手術後、まれに痛みが長く続くことがあります(日常生活に影響することもあります)。
 そのため事前にお伝えしていますが、手術時の工夫で予防できる場合もありますのでご安心ください。

実際の治療期間は?


 術後の痛みは個人差がありますが、数日で落ち着くことがほとんどです。

 鼠径ヘルニア治療期間
           

最後に(まとめ)


 鼠径ヘルニアは放置すれば重篤な合併症(嵌頓・腸壊死)に至る可能性がありますが、適切な時期に手術を受けることで安全かつ確実に治療できる疾患です。
 手術の安全性は高く確立しており、再発や合併症も少なくなっています。日常生活に不安がある方は、早めに医師に相談しましょう。

執筆者

医長(講師) 東田 正陽 Masaharu Higashida
専門分野 消化器一般、上部消化管

認定医・専門医・指導医 日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会消化器外科専門医・指導医、日本消化器外科学会消化器がん外科治療認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本食道学会食道科認定医、日本消化管学会胃腸科専門医・指導医、日本腹部救急医学会腹部救急認定医・教育医、消化器ロボット支援手術 Console Surgeon

出身大学
川崎医科大学 H14.3 卒業

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