文字サイズ

086-462-1111(代表)

変形性股関節症とは

更新日:2025/04/10

変形性股関節症とは

 変形性股関節症とは、股関節に生じた変形性関節症です。変形性関節症は、組織異常やさまざまな外因(怪我など)によって関節の損傷が生じて、さらに関節軟骨や骨の破壊に繋がる疾患です。我が国での症候性変形性関節症の有病率は075%(男性0・29%、女性0・99%)とされています。関節部に生じるので手指の変形性関節症などは目につくことが多い疾患ですが、股関節の場合には深部にある関節ですので通常目につくことはありません。痛みの場所や感じ方も個人差があります。しかしながら、股関節は日常生活においてまさに「根っこ」の部分であり、関節症が進行して疼痛が強くなると歩行障害をはじめ、様々な日常生活での支障をきたすことになります。(図1・2・3)

変形性股関節症_図1変形性股関節症_図2変形性股関節症_図3

 特に我が国で特徴と言えるのは、発育性股関節形成不全という病態が原因となることが多いことです。この病態は股関節の受け皿である寛骨臼(かんこつきゅう)が成長終了時に正常範囲に至らず被覆不十分な状態のまま経年的に関節軟骨がすり減ってしまいます。(図4)小児期の股関節脱臼があり治療を受けた患者さんなどは定期的に画像検査を受けているので早期に診断発見が可能です。しかしながら、初期関節症の状態では痛みが出ないので高齢になって発症する患者さんも多いのが現状です。比較的年齢が若く、股関節症が進行する前の状態の患者さんでは関節温存術の適応がありますが、進行した状態になった患者さんには全人工股関節置換術という手術が一般的です。

変形性股関節症_図4

 当院では年300症例以上の人工股関節手術を手掛けており、全国でも件数の多い病院です。当科での実際の手術は全員一律というわけではなく、主治医が患者さんの画像上の変形や関節可動範囲のほか、生活様式などを評価して、手術の侵入方法や人工関節の種類を選択しています。術前に主治医に生活習慣、仕事内容やスポーツ活動などの相談をしてください。
 次のチェックリストをみて気になった方は主治医に相談してみてください。
変形性股関節症_チェックリスト

執筆者

副部長(准教授) 遠藤 裕介 Hirosuke Endo
専門分野 股関節(人工関節置換、再置換、骨切り術)・膝関節(人工関節)・小児整形(下肢)

認定医・専門医・指導医 日本専門医機構認定整形外科専門医、日本人工関節学会認定医

出身大学
徳島大学 H11.3 卒業

メディカル
インフォメーション 検索

診療科・部門で探す