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変形性股関節症の治療について

更新日:2025/04/10

変形性股関節症の治療について

本稿では 「関節温存術」 と 「ナビゲーションシステムを用いた全人工股関節置換術」について紹介します。

1 .関節温存術 (骨盤骨切り術)


 まだ関節軟骨が残っている状態の変形性股関節症では、骨盤骨切り術(寛骨臼 (かんこつきゅう)移動術)という手術があります。関節症が初期で40歳代以下の長期リハビリが可能な患者さんが適応となります。条件
がそろえば安定した成績で人工関節を回避することも期待されます。

変形性股関節症の治療について_図5

2 .筋間アプローチでナビゲーションシステムを用いた全人工股関節置換術

 
  全人工股関節置換術において、なるべく術後脱臼リスクを減らすために、当院では多くの症例で筋間アプローチによる手術を行っています。 (図6) メリットとして、術後3か月以降は脱臼予防の姿勢制限をなしとしています。また、カップ (骨盤側の受け皿) の設置角度は脱臼予防や長期成績にも重要であり、より精度の高い手術を行うためにナビゲーションシステムを併用しています。ナビゲーションには様々なタイプがありますが、基本的には骨盤の傾きを補正して正確な角度を術者が把握するためのツールです 。(図78) 当院ではほぼ全例でナビゲーションシステムを用いた手術を施行しています。

変形性股関節症の治療について_図6変形性股関節症の治療について_図7

変形性股関節症の治療について_図8


執筆者

副部長(准教授) 遠藤 裕介 Hirosuke Endo
専門分野 股関節(人工関節置換、再置換、骨切り術)・膝関節(人工関節)・小児整形(下肢)

認定医・専門医・指導医 日本専門医機構認定整形外科専門医、日本人工関節学会認定医

出身大学
徳島大学 H11.3 卒業

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