遺伝診療センター
更新:2026年4月1日
遺伝性乳癌卵巣癌総合診療基幹施設(2018年4⽉に認定)
当院は2018年4月に一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC)が定める
「遺伝性乳癌卵巣癌総合診療基幹施設」に認定されました。
遺伝性の乳がんや卵巣がんおよびその疑いがある患者さん・ご家族への診療体制を整備しています。
<遺伝性乳がん卵巣がん症候群(hereditary breast and ovarian cancer : HBOC)に関する診療の一部保険診療化について>
2020年4月よりHBOC診療の一部が保険適用となりました。当院では今まで通り遺伝診療センター、乳腺甲状腺外科、産婦人科等が協力してHBOC診療を行っています。
現時点(2026年2月)では、現在または過去に乳がんまたは卵巣がんにかかった方(既発症者/罹患者)が保険診療の対象となります。
<保険診療の内容>
①以下のいずれかに当てはまる方に対するHBOCの原因遺伝子であるBRCA1、BRCA2遺伝学的検査
- 45歳以下で乳がんを発症された方
- 60歳以下でトリプルネガティブの乳がんを発症された方
- 2個以上の原発性乳がんを発症された方
- 乳がんを発症され、第3度近親者内(曾祖父母、大おじ、大おば、いとこ、甥姪の子ども、曾孫までの血縁者)に乳がんまたは卵巣がんまたは膵臓がんを発症された方が1名以上おられる方
- 乳がんを発症された男性
- 卵巣がん、卵管がんおよび腹膜がんを発症された方
- がん治療(乳がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんの治療)において、分子標的薬オラパリブの適応かどうかを判断する場合の対象となる方
②乳がんを発症された方のうち、HBOCと診断された方に対して、卵管・卵巣の摘出(リスク低減卵管卵巣摘出術 risk-reducing salpingo-oophorectomy:RRSO)およびがんを発症した乳房と反対側の乳房の切除(リスク低減乳房切除術 contralateral risk-reducing mastectomy:CRRM)および乳房再建術
③卵巣がんを発症された方のうち、HBOCと診断された方に対する両側の乳房の切除(両側リスク低減乳房切除術 bilateral risk-reducing mastectomy:BRRM)および乳房再建術
④HBOCと診断された方に対するサーベイランス(きめ細やかな定期的な観察)
乳腺甲状腺外科、産婦⼈科、消化器内科等の各診療科で対応しています。
※現時点(2026年2月)では、乳がんや卵巣がんにかかっていない方(未発症者)は保険適応になっていません。自由診療として、サーベイランス、遺伝学的検査やリスク低減手術も含め、複数の診療科・部が連携し、対応しています。
複数の臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーが、遺伝カウンセリングと遺伝学的検査
(遺伝子に生まれつきの病的バリアント(変異)があるかどうかを調べる検査)に対応します。
<遺伝学的検査の種類>
- BRCA1、BRCA2遺伝学検査:保険診療または自由診療
- 多遺伝子パネル検査(がんの発症に関する複数の遺伝子を一度に調べる遺伝学的検査):自由診療
- シングルサイト(血縁者の遺伝学的検査):自由診療
複数の乳腺専門医が、乳がん診療にあたります。
HBOCと診断された方に対する乳がん(マンモグラフィと乳房MRIと乳房超音波検査など)の
サーベイランスを行います。
HBOCと診断された方に対する乳がんのリスク低減手術(保険診療・自由診療)を実施できます。
認定遺伝カウンセラーとともに遺伝カウンセリングと遺伝学的検査(遺伝⼦に⽣まれつきの病的バリアント(変異)があるかどうかを調べる検査)に対応します。
<遺伝学的検査の種類>
- BRCA1、BRCA2遺伝学検査:保険診療
複数の婦人科腫瘍専門医が、卵巣がん診療にあたります。
HBOCと診断された方に対する卵巣がんのリスク低減手術(保険診療・自由診療)を実施できます。
HBOCと診断された方に対する卵巣の経腟超音波検査とCA125腫瘍マーカー検査(RRSOの代替法として妥当であることを示すエビデンスはありません)に対応します。
臨床遺伝専門医・乳腺専門医・婦人科腫瘍専門医・認定遺伝カウンセラー等が参加する定期的なカンファレンスを行い、連携のとれた診療体制としています。
