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COVID-19(新型コロナウイルス感染症)

更新日:2020/10/13

猛威をふるう新型コロナウイルス感染症

全世界で約2400万人の感染者、そして、約80万人の死亡者(2020年8月27日現在)を出している感染症。
こんな感染症が現代で発生すると誰が予想したでしょうか?
新型コロナウイルス感染症は、まさに全世界で猛威を振るっています。
日本国内でも約6万人の感染者と1000人以上の死亡者、そしてここ岡山県でも既に142人の感染者が出ています。(2020年8月27日現在)
では、なぜここまでCOVID-19が猛威を振るうことになったのでしょうか?

コロナ_アイコン1

COVID-19は、コロナウイルスの一種で、コロナウイルスには、一般の風の原因となるウイルスや、「重症急性呼吸器症候群(SARS)」、そして2012年以降発生している「中東呼吸器症候群(MERS)」ウイルスなどが含まれます。

これだけ蔓延した原因の一つとして、私たちがこの新たなウイルスに対する免疫を持っていないことが挙げられます。
もう一つ原因として注目されるのが、新型コロナウイルス感染症は、誰が感染しているのかが分かりにくいという点です。
新型コロナウイルス感染症では、症状が出る前から感染症があり、そして症状が出始めてから間もない時期の感染性がとても高いことが知られており、これはSARSやMERSと異なる特徴であります。
すなわち、症状が出る前の無症状の新型コロナウイルス感染症(無症状病原体保有者)からの感染の危険性も指摘されています。
このように、感染者自身や周囲の人が気づかないうちにウイルスを拡げたり、ウイルスをもらってしまうことも、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっている大きな原因と言えるのです。

自覚症状と注意点

症状がなくても感染していることがありますが、症状が出た後さらに感染力が高まります。
重症化する症例では、重症化する前に何らかの症状を見受けられることが多いので、自覚症状に注意することは非常に重要です。
しかし、初期の症状として、嗅覚障害や味覚障害を訴えるという特徴はあるものの、その他には発熱や咳・のどの痛み・鼻づまりなどの呼吸器症状、頭痛やだるさなどの症状のため風邪(感冒)やインフルエンザなどに似ており、なかなかそれが新型コロナウイルス感染症とはわかりにくいことが多いのが事実です。
したがって、体調のすぐれない場合は本人のため、また、周りにうつさないためにも、外出を控え、自宅でゆっくり休んでください。

症状が出た人のおよそ2割は、最初の症状が1週間程度続いた後、呼吸困難や咳、痰が悪化、すなわち重症化します。
また、高齢者や心不全・糖尿病・慢性的な呼吸器疾患など基礎疾患を持っている方は、このように重症化しやすいとされています。

したがって、初期の症状に発熱などの他、嗅覚障害や味覚障害を訴える場合や、発熱などの症状が4日以上続く場合には、新型コロナウイルス感染症の感染や重症化の可能性があります。
その場合には新型コロナウイルス受診相談センターという、各都道府県に設置されている窓口への相談が必要になります。(この受診システムは今後変更になる可能性もあります。)
また、高齢者や基礎疾患を持った方は、重症化しやすいため、さらに早期の相談が必要です。

コロナ_経過と重症化リスク因子

新型コロナウイルス感染症の検査について


検査としてはPCR検査が最もよく知られています。
その検査は、新型コロナウイルスの遺伝子を調べる方法で、主に鼻咽頭(細い綿棒を鼻に入れて採取する方法)が用いられ、最も感度が高い検査です。
ただ注意点として、感染していれば100%必ず陽性になるというわけではないこと、必要な検査の機械や技術が特殊なため、この検査ができる医療機関が限られていること、インフルエンザ検査のように外来での待ち時間の間にすぐに結果が出る検査ではないこと(通常、結果判明には最低半日以上必要)などが挙げられます。

最近では、インフルエンザ検査のように比較的短時間で結果が出る、抗原検査という検査法も開発されました。
しかし、PCR検査と比べて多くのウイルスが存在しないと陽性にならず、感度が低いため、検査の対象は症状がでてから2日目以降9日目以内の場合に限られてしまうことなどが問題点です。
また、症状のない場合などは感染していても抗原検査が陰性になることがあるので注意が必要です。
ただ、特殊な機械や技術は必要ありませんので今後さらなる普及が望まれます。

その他、血液検査を用いた抗体検査についても、抗体は感染してしばらくたたないと産生されず、比較的早い時期に出現すると考えられる新型コロナウイルスIgM抗体でさえも、発症12日以内の陽性率は低いとされています。
そのため発症して早期の検査には向いていないと考えられています。

コロナ_検査について

一般的に「免疫ができた」ことを示し、感染症の回復期に増加するIgG抗体ですが、新型コロナウイルスIgG抗体も測定可能です。
この抗体があることで「免疫ができた」と言えれば良いのですが、新型コロナウイルスの場合、IgG抗体がどのくらいの期間続くのか、あるいはこのIgG抗体を持っていると本当に感染や発症を防げるのかなど不明な点が多く、この抗体検査については、今後さらに多くのデータが必要になってきます。

今まで経験したことのない新たな感染症に直面し、皆さま大きな不安を感じていると思います。
この解説を通じて新型コロナウイルス感染症に対する疑問を少しでも解消できれば幸いです。
当院では、病院全体で新型コロナウイルス感染症対策に全力で取り組んでおります。



K-style vol.64 2020秋号より
K-style64

執筆者

副部長(准教授) 大石 智洋 Tomohiro Oishi
専門分野 小児感染症、院内感染対策

認定医・専門医・指導医 日本小児科学会小児科専門医・指導医、日本感染症学会感染症専門医・指導医、認定ICD、日本化学療法学会抗菌化学療法指導医、日本小児感染症学会暫定指導医、臨床研修指導医

出身大学
新潟大学 H8.3 卒業

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