- センター長
- 和田秀穂特別院長補佐、総合診療科部長
HIV感染症は、抗HIV治療薬の進歩により、コントロール可能な慢性疾患となりました。その一方で、偏見や誤解も残っているのが現状です。また、経済面、心理面、社会面等患者さんを取り巻く数多くのさまざまな課題を抱えています。当院エイズ治療センターでは、個人のプライバシーに十分配慮しながら診療をおこなっています。HIV検査をご希望の方、HIVと診断された方、治療中の方が、安心して通院、治療を継続できるよう、院内多職種で支援をおこなっています。
特徴・特色
当院は1994年11⽉にエイズ治療拠点病院として指定され、2007年3⽉には岡山県のエイズ治療中核拠点病院に選定されました。2025年2⽉現在、累計の患者数は214名です。患者の平均年齢は50.1歳(22〜81歳)で、40歳満が23.7%、40歳以上が76.3%を占めています。
HIV診療チームは、主に医師2名(認定医)、看護師1名(専任)薬剤師2名(認定1名)、MSW2〜3名、臨床⼼理⼠2名、医事課職員1〜2名から構成されています。チームカンファレンスを月1回実施し情報共有をおこなっており、患者さんの抱える課題や問題点を明らかにし、各職種が可能なサポートを考え支援につなげています。
患者さんが疾患と向き合い自己管理をおこなえることを目標に多職種で連携しています。 また、「ウイルス疾患指導料2」および「チーム医療加算」を算定しています。さらに、エイズ中核拠点病院として、⾼度な診療の提供に加え、臨床研究の推進、医療従事者の研修、他の拠点病院との連携強化にも注⼒しています。
中核拠点病院の機能
① 高度なHIV診療の実施
② 必要な施設・設備の整備
③ 拠点病院に対する研修事業及び医療情報の提供
④ 拠点病院等との連携の実施

HIV診療チームには、臨床心理士も在籍しており、疾患や治療、生活に不安のある患者さんに対するカウンセリングを実施しています。また派遣カウンセリング制度も備わっており、希望された方には院外のカウンセラーによる心理的社会的支援を提供しています。
また、HIV担当看護師が窓口となり、院内外からの相談に対応しています。
岡山県では、HIV感染者歯科診療ネットワークが構築されており、歯科受診希望の方へは連携している県内歯科クリニックへの紹介システムを利用しスムーズに受診してもらうことができます。
主な検査・治療などの紹介
HIV感染症の検査法について、当院ではまずスクリーニング検査として第4世代抗原・抗体同時検出法(迅速検査)を実施しています。陽性と判定された場合には、確認検査としてイムノクロマトグラフィー(IC法)を用いたHIV-1/2分別抗体検査であるGeenius HIV 1/2 Confirmatory AssayおよびHIV RNA検査(PCR法)を行い、診断を確定しています。CD4陽性細胞数も重要な指標であり、当院ではこれらすべての検査を院内検査室で実施可能です。これにより、迅速な検査結果報告体制を構築しています。
HIV/AIDSに対する抗レトロウイルス療法(ART)は、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)と逆転写酵素阻害薬(NRTI)の併用療法が主流です。当院では、1日1回1錠で内服可能なsingle tablet regimen(STR)が処方の77%を占め、治療の中心となっています。
実績
