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リウマチ・膠原病科

フロア案内
  • ≪外来≫皮膚・運動器センター外来 4階(44)
  • ≪病棟≫11階
川崎医科大学 リウマチ・膠原病科学教室

更新:2026年4月1日

特徴・特色

リウマチ性疾患や膠原病の患者さんが当科以外の診療科を受診する場合、最も多い診療科は皮膚科と整形外科です。リウマチ・膠原病科は、これらの診療科とともに「皮膚・運動器センター」の外来で、診療を行っています 。当科・皮膚科・整形外科の医師が密に連携することで、皮膚病変や運動器症状を含めた総合的な評価が可能となり、患者さん一人ひとりの状態に応じた診療を提供しています 。 リウマチ・膠原病診療においては、新しい病態評価法や分子標的薬が次々と開発されており、治療戦略は大きく進歩しています 。当科では最新の診断技術と治療を適切に組み合わせ、病態に即した最適な治療を行っています 。

また、岡山市の「川崎医科大学総合医療センター」と連携した診療により、患者さんの利便性の向上を目指しています。

関節リウマチ

関節の腫れが全く認められない時期であっても、関節内ではすでに強い炎症が生じていることがあります。そのため、関節リウマチの早期診断には「関節超音波検査」が有用です。ただし、関節炎は他の膠原病や、悪性腫瘍、感染症などに関連して発症することもあるため、慎重な鑑別診断が必要となります。

関節リウマチは発症早期ほど抗リウマチ薬の治療効果が高いことが知られており、この時期の治療方針の選択が将来の関節予後を大きく左右します。当科では、発症早期の患者さんから、合併症を有し治療が難しい症例まで、さまざまな病態に応じて、抗リウマチ薬や分子標的薬(生物学的製剤、JAK阻害薬)を適切に組み合わせた治療を行っています。

関節リウマチの治療法選択においては、薬剤の有効性だけでなく、副作用などのリスクや治療にかかるコストも含めて総合的に検討する必要があります。当院には、リウマチ診療に精通した専任看護師(登録リウマチケア看護師)がおり、治療に関する個別相談にも対応しています。患者さん一人ひとりの状況やニーズに応じた治療選択ができるよう、チーム医療を大切にしています。

全身性エリテマトーデス(SLE)

膠原病の中でも特に多臓器にわたる病態評価と治療が必要な疾患です。初期には症状が分かりにくいことも多く、心血管、肺、神経、腎臓などの重要な臓器に病変が及んでいる場合もあります。そのため、疾患評価を正確に行った上で治療を開始することが大切です。当院では患者さん一人ひとりの生活や将来を見据えた医療判断を心がけています。

近年、生物学的製剤などの分子標的治療が、関節リウマチに加えてSLEにも保険適応となり、治療の選択肢が大きく広がっています。当科では、副腎皮質ステロイドに依存しない寛解維持を目標とした治療を行っています。

また、妊娠を希望される患者さんに対しては、計画的な妊娠の支援を行っています。当院の産婦人科は合併症妊娠に対する高い専門性を有しており、診療科間で連携しながら、妊娠前から出産まで一貫した病状管理を行っています。

全身性血管炎

ANCA関連疾患ではリツキシマブ、C5a受容体拮抗薬(アバコパン)、IL-5阻害薬などの治療薬が使用可能となっています。また、高安動脈炎や巨細胞性動脈炎といった大血管レベルの血管炎に対しては、IL-6阻害薬やJAK阻害薬などが治療選択肢として用いられています。

これらの治療薬を疾患活動性や病態に応じて早期から適切に導入することにより、副腎皮質ステロイドの使用量を抑え、ステロイドに依存しない寛解維持が可能となってきました。

ANCA関連疾患では腎炎をきたすことが多いため、腎臓内科とともに血管炎外来として連携し、長く腎機能を保つための方策を考えます。

全身性硬化症(強皮症)および炎症性筋疾患、混合性結合組織病(MCTD)

当科では治療が必要な患者さんには、リツキシマブを用いたB細胞除去療法をはじめとする分子標的治療・免疫抑制療法を積極的に導入しています。

これらの疾患は、心臓や肺の合併症を高頻度に伴うことが知られており、定期的かつ系統的な評価を行うことが重要です。

近年の医学の進歩により、心臓や肺の合併症を早期に把握し、適切な時期に治療介入を行うことで、その後の経過や予後が大きく改善する可能性があります。

当院では、見逃されやすい心臓および肺の臓器障害の早期発見に力を入れています。

膠原病性の間質性肺疾患、肺高血圧症

膠原病には、間質性肺疾患や肺高血圧症といった肺合併症を伴うことがあり、これらは生命予後に大きく影響する重要な合併症です。

間質性肺疾患に対しては、疾患活動性を適切に評価したうえで免疫抑制治療を行い、線維化進行のリスクが高い患者さんでは抗線維化薬の併用を検討します。

肺高血圧症については、各膠原病に対する適切な免疫抑制療法を基本とし、病態に応じて肺血管拡張薬を併用します。特に全身性硬化症では、間質性肺疾患や心病変などの合併症を認めることが少なくなく、全身的な評価と並行した包括的な治療介入が重要となります。

近年、これらの疾患領域では新たな治療薬が登場し、早期診断・早期介入により生命予後の改善が期待できるようになっています。当科では、呼吸器内科および循環器内科と連携し、患者さん一人ひとりの病態に応じた適切な診療を提供して参ります

診療部長・責任者

中野 和久
部長(教授) 中野 和久 Kazuhisa Nakano
専門分野 関節リウマチ、強皮症、免疫疾患全般

認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本リウマチ学会専門医・指導医、日本臨床免疫学会免疫療法認定医

出身大学
産業医科大学 H9.3 卒業

主な対象疾患

関係する症状

  • 関節が腫れて痛む
  • 手の指がこわばる
  • 寒いときに、指先が紫や白色になる(レイノー症状)
  • 原因不明の発熱が続く
  • 筋肉痛や筋力低下
  • 間質性肺炎
  • 血液検査で尿酸値が高い
  • 血液検査で、抗CCP抗体・リウマチ因子・抗核抗体が陽性

治療している主な病気

関節リウマチとその関連疾患
関節リウマチ、若年性特発性関節炎、リウマチ性多発筋痛症、成人スチル病、脊椎関節炎(強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎など)
血管炎症候群
高安動脈炎、巨細胞性動脈炎、結節性多発動脈炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、顕微鏡的多発血管炎、IgA血管炎など
その他の膠原病
全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性筋炎・皮膚筋炎、全身性硬化症(強⽪症)、混合性結合組織病、ベーチェット病、シェーグレン病、IgG4関連疾患など
自己炎症症候群
TNF受容体関連周期性症候群、家族性地中海熱など

専門診療・専門外来

  • 関節炎の鑑別診断と治療
  • 関節リウマチ・膠原病に伴う間質性肺炎の治療
  • 全⾝性硬化症(強皮症)の血管病変の把握と皮膚病変の治療
  • 全⾝性硬化症(強皮症)に伴う肺高血圧症の治療
  • ループス腎炎の治療
  • 不明熱・自己免疫検査異常の評価と診断
  • 他診療科で行う副腎皮質ステロイド/免疫抑制療法へのアドバイス

実績

2024年度

患者数(延べ)  外来患者数 9,503人
入院患者数 3,858人

2025年1月~12月 外来・入院患者数一覧(実人数)

疾 患 名 患 者 数
( 外 来 )
患 者 数
( 入 院 )
関節リウマチ   844 64
全身性エリテマトーデス   188 31
全身性硬化症(強皮症)   151 79
皮膚筋炎/多発性筋炎   73 26
シェーグレン病   70 11
ベーチェット病   31 4
血管炎   143 42
内)    
 顕微鏡的多発血管炎 31 14
 多発血管炎性肉芽腫症 23 8
 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 20 3
 結節性多発動脈炎 2 3
 高安動脈炎 19  
 巨細胞性動脈炎 42 12
 IgA血管炎 3 2
 血管炎(その他) 3  
混合性結合組織病   16 3
非分類型結合組織病   10  
成人スチル病   26 8
脊椎関節炎   120 7
内)    
 強直性脊椎炎 7  
 乾癬性関節炎 70 4
 反応性関節炎  2 1
 腸炎関連脊椎関節炎 3  
 非分類型脊椎関節炎 18  
 SAPHO症候群 20 2
リウマチ性多発筋痛症(RS3PE含)   71 9
IgG4関連疾患   39 9
変形性関節症   6  
再発性多発軟骨炎   5 7
痛風・偽痛風   14 3
家族性地中海熱   5 3
その他   283 13
2095 321

※同一患者が複数回受診・入院した場合でも、1名として集計しています。

詳細は年報をご覧ください。