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便秘とは

便秘とは

 便秘とは、一般的に便が硬くなり、排便回数が週3回以下と少ない状態を指します。排便困難やいきみや残便感などの排便時の不快感、腹痛や腹部の膨満感に加え、便に血液が付くなどの症状を伴う場合もあります。胃痛や頭痛の原因になることもあります。便秘は、若い世代では女性に多く、男性も女性も年齢とともに増加し、高齢者では性差がなくなります。
便秘とは1
老化による筋肉や感覚の衰え、女性ホルモンによる大腸の運動の抑制、食事量や水分摂取量の減少、過度なストレスなどが便秘の原因となります。さらに大腸がんなどの腸の病気(器質性便秘)、糖尿病、神経疾患、精神疾患、甲状腺機能低下などの病気(症候性便秘)や薬(薬剤性便秘)が便秘の原因となります。便秘をきたす薬としては、症候性便秘の原因となる糖尿病や神経疾患や精神疾患の治療薬に加え、抗ヒスタミン薬、抗コリン薬、利尿薬やオピオイドなどがあります。さらに、鉄やカルシウムを含むサプリメントも便秘の原因となります。
便秘とは2
 過敏性腸症候群は、特に原因となる疾患や薬剤内服がないにも関わらず、便秘または下痢をくりかえす比較的若い人に多い病気です。排便時に腹痛を伴い、排便後に腹痛が改善する病気です。便の性状により主に、便秘型、下痢型、便秘と下痢を繰り返す混合型があります。便秘型は、市販薬や下剤の種類によっては、腹痛や腹部不快感が悪化する場合があります。
 大腸がん大腸の粘膜にできる悪性の腫瘍です。
4050歳から増加しはじめ、全国がん登録のデータによると大腸がんの罹患数は、第1位でがんの中で最も多く、死亡数においても女性で大腸がんは第1位、男性で第3位となり、罹患数も死亡数も増加しています。症状は、がんができた場所や進行の程度によって異なり、症状がほとんどないこともありますが、頻度が高いのは血便です。また、細い便が多いといった症状もみられます。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。また症状がなくても、便検査による大腸がん検診を毎年受けて、検査が陽性であれば、大腸内視鏡検査を受けるようにして下さい。次のチェックリストに該当する場合は、医療機関の受診をおすすめします。

便秘とは3



執筆者

部長(教授) 塩谷 昭子 Akiko Shiotani
専門分野 消化管出血・消化管のがん、炎症性腸疾患、生活習慣病、機能性胃腸症

認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本消化器病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化管学会胃腸科指導医、日本ヘリコバクター学会H.pylori(ピロリ菌)感染症認定医、日本カプセル内視鏡学会認定医・指導医

出身大学
和歌山県立医科大学 S61.3 卒業

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