後期臨床研修

各科専門医プログラム

放射線科(治療)

2024年度に専門研修を開始する予定の研修医は下記をご覧ください。

プログラムの特色と研修医へのメッセージ

当科では、ほぼ全ての悪性腫瘍を対象に放射線治療を行っています。これまでの放射線治療は手術不能例や進行がんが治療対象で、根治治療ではないといったイメージがありました。しかし最近は、治療機と周辺機器の技術革新で、腫瘍に限局して安全に大線量が照射可能となり、QOLを保ちつつ高い根治性が提供できる治療法に変化してきました。

具体的には、3次元原体照射(IMRT:線量分布の濃淡を3次元的に自由自在に変更できる外照射技術)や組織内照射(病巣内に微小線源を挿入してがんだけに線量を集中させる治療技術)があり、特に当科の組織内照射の実績は、症例数/治療成績で日本のトップレベルにあります。

また、全身の悪性腫瘍を治療対象にする関係から、関連する診療各科(耳鼻咽喉科 歯科・口腔外科 皮膚科 呼吸器外科 産婦人科 泌尿器科血液内科 整形外科 )とカンファレンスを通じて密な連携を持ち、信頼できるセカンドオピニオン が提供できる科として、悪性腫瘍の治療現場で要の役割を担っています。

当院や全国規模の集計では、治療希望患者数は年々増加しており、放射線治療専門医の不足が深刻な状況にあります。是非多くの人が放射線治療の専門医を目指して、がん患者さんに機能を温存したがん治療の恩恵をもたらしていただきたいと思います。

研修プログラム

外来診療、入院診療を通じて「がん患者さんとの信頼関係構築の仕方」「一般的な放射線治療手技を会得」「抗がん薬の使い方」を勉強します。それと並行して、放射線治療を理解するためにはどうしても画像診断の知識が必要ですので、放射線診断部や研修連携病院での研修も受けます。後半の3年間で「頭頸部がん」「肺がん」「乳がん」「前立腺がん」「子宮がん」を中心とした疾患特異的な放射線治療技術を身に付けます。

研修実績

これまで当科の研究では、川崎医科大学 の施設を利用するばかりでなく、京都大学原子炉実験所、神戸学院大学・薬学部、大阪府立大学・農学部などとコラボレ-トした斬新な研究を行ってきました。これらの研究から得られた新しい知見により、過去5年で4人の大学院卒業学位取得者を出しております。

到達目標、取得できる資格、経験できる症例、手技など

日本における放射線治療医は欧米に比べ明らかに不足しており、特に各都道府県における基幹病院での不足は深刻です。研修後、第一線病院に出て十分に通用する化学療法にも明るいRadiation oncologistになってもらうことを目標とします。

取得可能な資格

  • 日本医学放射線学会専門医(卒後5年)
  • 日本放射線腫瘍学会認定医(卒後7年)
  • 日本がん治療認定医機構がん治療認定医(卒後6年)
  • 日本乳がん学会専門医
  • 放射線取り扱い主任者1種免許
  • 中性子捕捉療法主治医資格