初期臨床研修

海外研修

海外研修 海外研修 海外研修

当院では初期臨床研修の一環として、当院が提携する海外の大学、病院での短期間(おおむね4週間程度)研修を実施しています。

研修医2年目の医師を対象に、海外の先進的な研修制度あるいは医療事情を体感し、国際感覚を養い、幅広い視野と高い理想や向上心を抱いて後期臨床研修へのステップとしていただくことを目的としています。

現在、提携研修先は以下のとおりです。

旅費について

旅費については、海外研修に対する奨学金制度(20万円を限度とする)を受けることができます。

海外研修制度要項/申請書(PDF)

平成29年度 研修報告/海外研修レポート

シカゴ研修

三宅 宏德

2017年7月、米国シカゴにあるRush University Medical Center(RUMC)の整形外科学、脊椎チームで一ヶ月間研修をさせていただき、手術・外来・研究室をそれぞれ見学させていただきました。
手術は、腰部脊柱管狭窄症や脊柱側湾症など症例は様々でしたが、いずれもダイナミックな手術が多かったです。例えば、腰部脊柱管狭窄症の椎体後方アプローチでは、まず正中から矢状断に大きく切開し、棘突起・椎弓の一部を除去した後器具で固定しますが、当院のような内視鏡を使用する症例はありませんでした。また、縫合に関しても日本とは異なっており米国ではバイクリル糸が好んで使用されていました。真皮縫合を行った後、表皮を連続縫合するのですが、左右の皮膚をまるで蛇が這うように縫合し、最終的な創は左右に大きく蛇行していました。術中操作は日本の方が丁寧であったように思います。
外来は、一日十数人程度の患者の診察を見学させていただきました。患者は全て、いずれかの教授の先生に割り振られており、一度講師の医師や研修医の予診を受けた後、教授の先生の診察を改めて受けるという方法がとられていました。私はほとんどの予診・診察に入りました。アメリカ人同士の会話はとても早く、半分程度しか聞き取れませんでしたが、事前に画像検査の結果を見てからの診察でしたのでなんとか内容は理解できました。
診察自体は特に日本と変わりはなく、問診をし、MMTやDTRなどの身体診察を行い次回の予約を取るという流れでした。その後カルテを記載するのですが、カルテは全てiPhoneで音声入力でした。院内のネットワークもGoogleで管理されており、私たちが普段するようにインターネット検索で患者情報が出てくるのは驚きました。
研究室は、検体の椎体を特殊な機械に載せてコンピュータ制御で様々な姿勢を取らせ、どの部位にどれくらいの力がかかっているのかを計測し、身体を痛める姿勢や、逆に疼痛を緩和するためにはどのような姿勢が良いのかを解析していました。研究のデータは既に計測し終わった後で、細かいデータの整理や論文作成が主でした。
RUMCでの研修では、Rush University Medical Schoolの一人の研修医といつも同じでした。彼と最初に会ったのは手術室でした。研修初日、私が後から手術室に入ると彼は自己紹介をしながら私に右手を差し出してきました。右手を握り返しながら拙い英語で自己紹介をしたのをはっきりと覚えています。そこからは毎日彼とともに手術・外来を見学させていただきました。米国では四年制大学を卒業した後、さらにMedical Schoolへ四年通わなければなりません。彼はMedical Schoolの三年生とういことでしたが、その堂々とした振舞いに感心しました。外来では、彼とともに二人で予診をとることもありました。どっしりと構え、前述のとおり患者の問診・身体診察を行い、教授の先生へ報告を行うのですが、プレゼンテーションの方法に無駄がなく、自信をもって臆することなくハキハキと自分の考えを述べていました。自分が学生の時分、あるいは今現在もこれほどのプレゼンテーションができただろうかと考え、これまでの研修医生活を振り返ってみましたが、残念ながらあまりできてはいなかったなと反省しました。彼とは日本と米国の研修医制度の違いを話したり、将来の科を相談したりと短いながらもとても充実した時間を過ごすことができました。
川崎医科大学の海外研修プログラムを経て、日本とは全く違った医療現場を経験することができました。日本が劣っている部分もあれば勝っている部分もあり、そういったことを生身で経験することができたのは、私の人生において非常に大きな糧になったと感じています。海外研修プログラムを通して感じたこと・考えたことを今後忘れることなく、これからの生活を張りのある、より充実したものにしていこうと思いました。今回はこのような機会を与えて頂き本当にありがとうございました。

平成28年度 研修報告/海外研修レポート

アメリカ・シカゴ研修報告

研修医2年 原 啓之

私は初期研修医対象の海外研修プログラムに応募し、2016年6月にアメリカ合衆国イリノイ州の都市であるシカゴのRush University Medical Centerとその関連施設にて整形外科を同期研修医である三崎先生と共に研修させていただきました。
6月のシカゴは非常に暖かく過ごしやすい気候であり、慣れない海外生活を送るのには絶好の気候でした。シカゴは人口がアメリカ第3位と大きな都市であり、非常に便利な都市でした。Rush Universityはそんなシカゴの中心街からは少し離れた場所にあります。Illinois Medical Districtと呼ばれる地区にあります。Rush Universityの整形外科はアメリカでもトップクラスであり、私たち以外にも日本人、韓国人など様々な国からの留学生がいました。
私たちは整形外科教授の長谷川徹先生と交流のあるRush University教授であるHoward An先生の下で主にスポーツ整形と脊椎外科の外来・手術見学に参加させていただきました。
アメリカでの朝は非常に早く手術は7時30分には開始されていました。多い日で脊椎外科では3~4件、スポーツ整形では7件くらい手術が同じ執刀医で1日に行われていました。執刀医の先生は手術の重要な手技のみ行い、開創や閉創などは助手であるレジデントやPA(Physician Assistant)が行いつつ複数の部屋を使い並列で行うことが多かったです。 日本では入院期間がある程度あるような手術もアメリカでは日帰りもしくは翌日に退院するのが一般的であり、その違いをあちらのスタッフに言うと「あり得ないね。」とかなり驚いていました。
Medical center以外の関連施設での手術見学をさせてもらいました。その施設は経過観察室と手術室のみがあるというシンプルな構造であり、ショッピングセンターのオフィス階にあるという場所にありました。周囲に普通の関係のないお店があり、お客さんもいるなかで簡素なドア1つのみで周囲と隔たれているという状況でした。そこでも全身麻酔での関節鏡手術などスポーツ整形の手術や脊椎外科の手術が複数行われていましたが、基本的にすべてが日帰り手術であったのは驚きでした。
外来見学は朝から多くの患者さんがいました。日本と異なり、患者さんがそれぞれ個室に振り分けられPAやレジデントが予診をとったあとに、上級医がそれぞれの部屋を回って診察するというものでした。医者の多くが白衣を着ておらず握手で診察が始まり、握手で終わるというフランクな雰囲気であったのが印象的でした。
学生時代のポリクリで見た風景、研修医として今まで見てきた病院の雰囲気とアメリカで毎日見る風景は異なる点が多く非常に興味深かったです。
毎週月曜日から金曜日の5日間に外来・手術見学をさせてもらい、土曜日と日曜日は基本的に休日でした。毎日の研修を楽しむとともに休日を利用して観光も楽しみました。サッカーCopa Americaの観戦やナイアガラの滝、ニューヨーク観光をしました。
アメリカでの研修は1カ月と短い期間でしたが、言葉や周りの人を含めて全てが異なるという生活は非常に刺激的でした。実際の医療現場で手技など技術的なことでアメリカと日本において全く異なるとは感じませんでしたが、様々な人種がいることや医療システムなどそのほかの点で多くの違う点がありました。百聞は一見に如かずとよく言われますが、1カ月間の今回の研修に参加することで実際知っていたことでも現地で感じることができたというのが最大の収穫だと思います。
最後になりますが、整形外科主任教授長谷川徹先生、Rush University教授Howard An先生、卒後臨床研修センター長中田昌男先生、整形外科教室秘書の方々などその他多くの方々のご尽力のお陰で無事に海外研修を修了できました。ここで深く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

  • シカゴの風景
  • Rush Medical Center
  • 整形外科専用の建物(外来や検査室、スタッフの部屋)

Rush Medical University 研修報告書

研修医2年 三崎孝昌

こんにちは、ただ今臨床研修医2年目の三崎孝昌です。今回2016年5月末から6月いっぱいシカゴにあるRush Medical Universityに短期留学させていただきました。正直、2015年3月に医師国家試験に合格し、臨床研修のスタート切った自分が2016年6月の1カ月間アメリカ・イリノイ州・シカゴにいるとは想像できなかったと思います。しかし海外研修のディレクターである長谷川教授のご好意と私が整形外科を志望しているということ、さらに同期であり友人でもある原先生も一緒に誘われていたため一大決心し渡米いたしました。
シカゴはアメリカ第三の都市と言われ、ニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ人口の多い街、イリノイ州にあるミシガン湖の南西岸に位置する北米屈指の大都市です。アメリカ第二位の経済、金融拠点で、五大湖工業地帯の中心地です。摩天楼がそびえ立つアメリカ型都市の発祥と言われています。また緯度・経度の話になりますが日本と比べて夜の8時以降ですら明るく夜明けが早かったこともとても印象に残っています。
研修の話ですがまずIDカードの作成などの事務的なこと、健康診断、その他施設の案内から海外研修担当であるHoward・Ann教授へ挨拶し一日目は終了しました。翌日より本格的な研修がスタートしました。研修の大半は手術見学と外来見学であり、脊椎外科とスポーツ整形を主に研修させていただきました。手術の入室は朝7時ととても早く件数も多いため前年度研修された福間先生、渡辺先生からのご助言で私たちは病院から割と近いdamenという街に居住しておりました。脱線になりますがdamenは緑が多く若者が集う街ということでバリュエーションに富んだ食事や簡単な運動ができるなど住むには困ることのない街でした。
さてRush大学での話になりますがまず手術室の多さ、規模には驚愕しました。手術室の中には見たことないくらい眩しい光を放つ無影灯やその先についているHDのカメラ、それにとても大きいディスプレイが掲げてありました。我々は基本的に患者さんに触れてはいけないという研修上のルールがありましたので手洗いせずともそのディスプレイから映し出される映像で手術の臨場感を味わうことができました。また手術中は外回り看護師さんや手術器具の業者の方々から簡単な英語でお話を伺う機会があり時折冗談を交えて会話したり楽しい時を過ごすこともできました。
外来においてはDrが同一の部屋にいるというスタイルとは違い4~5部屋を患者さんに先に待機してもらいDrが部屋に入って診察に回るという日本とは一風違うスタイルで効率的に診療・診察を進めているものだと感心しました。またカルテ記載は主にiphoneを用いた音声を使ったアプリ(おそらくですが)で記載しておりDrから看護師までスマートフォン片手に独り言をぶつぶつ呟いている光景に驚きました。金曜日は朝からカンファレンスがあります。菓子パンやサンドイッチ・フルーツ・コーヒーが際限なく振る舞われアットホームで老若男女わけ隔たりない雰囲気で始まるためカンファ中はガンガン質問が飛びあい白熱した空気を味わうことができました。若い人でも発言している姿はアメリカならではの積極性なのかもしれないと思いましたが自分も見習わなければと考えたりすることができました。
さて土曜、日曜は休日です。そのため我々はその機会にシカゴの中心地に赴き買い物したりマイケル・ジョーダンプロデュースのステーキハウスに行ったり、とある休みの際はニューヨークに滞在、観光したり、カナダのナイアガラの滝見学もしたりと普段の生活では中々楽しむことのできない時間を過ごすことができました。ちょうどアメリカではコパ・アメリカという北・南米諸国の大会も開催されておりシカゴにあるソルジャー・スタジアムにサッカー観戦しに行くこともできました。
最後のほうは多少研修以外のことを強調して書いてしまいましたがシカゴにいる期間は毎日が刺激的で多くのことを経験することができたと考えております。また同期の原先生には色々迷惑をかけてしまいましたが良い友人関係を築けたと考えています。この貴重な経験は今後の自分の医師人生において良い経験になりました。
最後になりましたが今回の研修を誘っていただいた長谷川徹教授、この機会を与えてくださった中田教授、柏原教授、園尾病院長、福永学長、川崎誠治理事長研修を受け入れてくださったAnn教授その他病院関係者の皆様に深くお礼申しあげます。

  • RUSH大学

海外研修報告書 ~Friburg大学~

研修医2年 三宅智雄

今回私は2007年から始まったTraveling Fellowship Residency Program(TFRP) 海外 研修プログラムに応募し、2016年6月下旬から約1ヵ月間ドイツ・フライブルグ大学皮膚科病棟へ研修に行かせていただきました。流れとしては、川崎医科大学附属病院の皮膚科で研修・指導をしていただいた後ドイツ・フライブルグでの研修となりました。
私は以前から海外の医療や文化には興味を持っていましたが、学生時代に短期留学に積極的に応募するといったことはありませんでした。医師となり海外研修へ行かれた研修医の先生方や、留学経験のある講師の先生方の話を聞きいた際、実際に自分も行って海外の医療を肌で感じてみたいと思うようになりました。そこでせっかくこのようなプログラムがあるのなら活かすしかないと思い勇気を振り絞って応募致しました。プログラムへの参加が決まってからはフライブルクの大学の教授の秘書との英語でのメールのやり取りや、飛行機の手配など大変なこともありました。出発前には海外での医学研修への期待と不得意な英語とドイツ語へ対する言語の不安がありました。私は6月22日からドイツへ向かい、23日にフライブルクへ到着しました。前年に研修に行かれた先生から話を伺っていた通りのきれいな町でした。フライブルクはドイツの西南部に位置し、ドイツ語で「黒い森」という意味の豊かな自然のシュヴァルツヴァルトに生まれた古都です。モザイク模様の石畳と、その脇を流れる水路が美しく環境 保護で先進的な取り組みをしいるとても住み心地の良い町でした。7月のドイツは日照時間が長いため21 時でも明るく、また気候も日本の秋に近く心地よい印象でした。フライブルク大学の正式名称はアルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(Albert-Ludwigs-Universität Freiburg)で、バーデン=ヴュルテンベルク州フライブルク・イム・ブライスガウにある国立大学です。ドイツで5番目に古い大学であり、1457年、オーストリア大公アルブレヒト6世によって創立されたそうです。創立時には医学、法学、哲学、神学の4学部でしたが、現在は11の学部を擁し、学生数約2万人、アカデミックスタッフ9,000人の総合大学だそうです。本部・教務部・工学部の3つの主要な校舎を中心としてフライブルクの約6か所にキャンパスが点在しており、街全体がキャンパスのような役割を果たしています。そんなフライブルク大学医学部付属病院の皮膚科病院施設で24日にフライブルク大学皮膚科学主任教授とのランチミーティングとチューターのドクターとの顔合わせがありました。研修は、ドイツの生活に慣れてからということで7月1日から開始ということになりましたが、レジデントの先生たちとの親睦会として、26日にシュヴァルツヴァルトにある湖でセーリングとバーベキューに招待していただきました。親睦会では緊張や、慣れない英語のためあまり会話ができませんでしたが、どの先生もとてもフレンドリーで、安心して研修を始めることが出来ました。また、7月はサッカーのEURO 2016大会開催期間中であったため、一緒にドイツ代表のサッカー観戦をしにパブリックビューイングは行きました。
 7月1日からの研修では一般外来、化学療法外来、アレルギー専門外来、レーザー外来、病棟、手術室を研修させていただきました。それぞれのパートを2日~4日でローテートしていきました。治療方針はあまり日本との違いを感じることはありませんでしたが、診療や教育においてはところどころ違いを感じることが出来ました。特に印象に残っていることを3つ挙げると、日照時間が長いため21 時でも明るく、また気候も日本の秋に近く心地よい印象でした。一人の患者に対する診察時間の長さ、カンファレンスの様子、学生の立場です。外来での一人当たりの診察時間は一人当たり30分~1時間で枠を取っており、長い時には2時間を超えて全身を診察していました。よく日本では診察時間が短いことを3分診察といって問題視とされていますが、ドイツでは診察時間枠を決めており、それ以上は診察しないようになっているとレジデントの先生は言っていました。次に驚いたのはカンファレンスの様子です。フライブルク大学の皮膚科では、ホールに先生方全員が集まり、実際に患者さんを呼び入れ全員で診察を行います。診察後、患者さんが部屋から出ていくと後検討会が開かれ、教授から若いレジデントの先生まで活発に議論していました。今まで患者さんを全員で診察し、カンファレンスを行うといったことを経験したことがなかったので衝撃的でした。最後に、ドイツの医学生の立場や心構えについて感心しました。卒業まで2年の学生たちと1年前の学生たちが研修していましたが、病棟では主治医と変わらない働きをしていました。実際に患者さんを何人か持ち、カルテを書き治療方針について上級医と相談していました。手技や治療法なども積極的に行っており、一人で生検を行っている学生もいました。ドイツでは卒業後は日本のように各科のローテートは無く、各専門に進むそうです。そのためみんな貪欲に学んでいるようでした。私も見習わなければならないと感じさせられました。
研修期間中の週末にはミュンヘンやベルリン、ケルンなど様々な観光地を訪れ、異国文化や歴史も感じることが出来ました。ヨーロッパではEURO2016大会期間中ということもあり、試合のあった夜には、若者が大騒ぎしてお祭りのようでした。
今回の研修では多くのことを経験でき大変有意義なものでした。今回の海外研修を始めるにあたって病院手続をサポートしてくださったプログラムディレクターの長谷川徹教授、事前からのやりとりに加えて現地までの準備と同行をして頂いた吉井 章恵先生、現地の研修をサポートしてくださったProf. Tudamanに深く御礼申し上げます。そして、最後になりましたが研修期間中にも関わらず、このような機会を与えていただいた、卒後臨床研修センター長中田昌男教授、園尾博司病院長、福永仁夫学長をはじめとする川崎医科大学附属病院関係者の皆様に心から感謝申し上げます。本当に有難うございました。

海外研修報告書 University Medical Center Freiburg

初期研修医2年 小笠原万莉

今回、約1か月間ドイツのフライブルグ大学皮膚科で研修させていただきました。Traveling Fellowship Residency Program(TERP)2016の存在を知った時、海外留学の経験はなく英語も自信ありませんでしたが、せっかくこのような機会があるなら挑戦してみようという気持ちで応募しました。
日本を発ち、まず着いたのはフランクフルトでした。私はヨーロッパを訪れるのが初めてだったのでとても興奮したのを覚えています。その後フライブルグへ電車で向かいました。フライブルグは南にある町で、常にカラッと晴れていました。湿気がないため部屋の中ではクーラーは必要なく、窓を開ければ風が気持ち良く感じられ、十分過ごしやすい環境でした。研修した時期は7月で、フライブルグの先生にドイツで最もいい季節だと言われました。
研修が始まる前に、Tuderman教授と秘書の方、そしてチューターのDavid先生にお会いしました。ランチをしながら挨拶をし、その後アパートに案内していただきました。少し大学からは遠かったですが、これから始まる生活にワクワクしました。
研修はWound Healing/Laser Department、Allergy Department、Operating Department、Ward(Jacobi/Rost)、Outpatient Department、Day Hospitalの部門に分かれていて数日ごとに研修させていただきました。当然ですが、患者さんと先生やメディカルスタッッフの会話は全てドイツ語で、ついていけず困ることもありましたが、その都度先生方が英語で説明してくださり、また、質問はないかと常に気にかけてくださいました。患者さんの皮疹を一緒に見て、何の疾患を疑うかと質問されることもあり、緊張感を持って望むことができました。正解した時の喜びはとても大きかったです。
その中でも私が一番印象深かったのはOperating Departmentです。もともと皮膚外科に興味があったので、とても楽しく研修させていただきました。フライブルグ大学では、日本なら処置室でするような皮膚生検から、腫瘍摘出術やストリッピング手術まで幅広く行われていました。最初は手洗いするかと聞かれてから恐る恐る術野に入っていましたが、後半は自分から手洗いしたいとお願いして積極的に術野に入って研修させていただきました。手術中には先生が英語で説明してくださり、非常に勉強になりました。また、手術はとても効率的で、患者さんの入室や清潔野の確保、ドレッシングなどは看護師さんによって行われ、先生は手術のみに集中できるといった環境には驚きました。
日本との文化の違いとして印象に残ったのは病室とカンファレンスです。大部屋の病室にカーテンはなかったのですが、患者さんは周りを気にすることなく過ごされていました。カンファレンスでは患者さんがカンファレンス室に入り、直接大勢の先生に囲まれて診察されます。日本だったら驚くような光景でしたが文化の違いとして興味深く感じました。

週末はお休みをいただいていたので、ベルリンやミュンヘンなど小旅行に出かけました。どこに行っても建物は美しく、絵画や彫刻といった芸術作品には心から感動しました。また、私たちが研修していた時期にはUEFAというサッカーのイベントがあり、皮膚科の先生方がパブリックビューイングに連れて行ってくださり、ドイツが勝った日は町全体がお祭りのように盛り上がっていました。一緒にセーリングやバーベキューも楽しみました。そして、前教授のSchoepf先生にはお家へ招待していただいたり、フライブルグの町を案内していただきました。
最後に、今回この研修に参加させていただきとても充実した時間を過ごすことができました。英語に自信はなく、ドイツ語も話せない状態で不安を抱えてはいましたが、フライブルグ大学の先生方、スタッフの方々に支えていただき、なんとか無事に研修を終えることができましたことを深く御礼申し上げます。また、今回の研修に参加するにあたってプログラムを準備してくださった責任者の長谷川徹教授、卒後臨床研修センター長中田昌男教授、卒後臨床研修センターのスタッフの方々、そして研修前にご指導くださった当院皮膚科藤本亘教授をはじめとする皮膚科の先生方、引率してくださった吉井先生に心から感謝申し上げます。

過去の研修報告/海外研修レポート(PDF)

平成27年度

平成26年度

平成25年度

研修先 研修者名 レポート
トロント小児病院(カナダ) 藤田 祥典 PDF
トロント小児病院(カナダ) 岩本 尚子 PDF
フライブルク大学(ドイツ) 印南 恭子 PDF

平成24年度

平成23年度

平成22年度

平成21年度

平成20年度

平成19年度