神経変性疾患 | アルツハイマー病、前頭側頭葉変性症、レビー小体型認知症、 大脳皮質基底核変性症、進行性核上性麻痺 など |
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脳血管障害 | 脳血管性認知症、ビンスワンガー病、脳アミロイドアンギオパチー、 CADASIL など |
感染症 | 脳炎、神経梅毒、エイズ脳症、プリオン病 など |
腫瘍 | 脳腫瘍 |
外傷 | 慢性硬膜下血腫、外傷性脳出血など |
髄液循環障害 | 正常圧水頭症 |
内分泌障害 | 甲状腺機能低下症 |
中毒、栄養障害 | アルコール依存症、ビタミン欠乏 など |
「アルツハイマー型認知症(Alzheimer’s dementia)」とは、「アルツハイマー病」による認知症のことで、認知症をきたす神経変性疾患の中でも一番多い疾患です。
特に64歳以下で発症した場合、「若年性アルツハイマー病」と呼ばれることがあります。
まだ分かっていませんが、アミロイドβとタウという2つのたんぱく質が脳内に異常に溜まることで、脳の神経細胞が減り、知能の低下が起こるのではないかといわれています。
病状や進行具合から他の病気の可能性を除き、加えて画像検査(MRI、脳血流SPECT)や神経心理検査の結果から総合的に行われます。
突然ではなく、徐々に始まり、ゆっくりと進行することが特徴です。
もの忘れから始まることが多く、新しいことを覚える機能や日時や場所を把握する機能が影響を受けやすいため、進行すると日常生活に支障をきたすことがあります。
現在のところ、病気そのものを治す薬はまだありませんが、進行をある程度遅らせる薬が4種類あります。
古い記憶や、身体をつかって覚えたものは比較的保たれやすいので、今できていることを無理せずに続けていく環境調整が大事になってきます。その時の心身の状態にあわせて、介護保険をはじめとするサービスを活用し、本人も周囲の方も安心して過ごせる時間や場所を見つけていきます。
病状や進行具合から他の病気の可能性を除き、加えて画像検査(MRI、脳血流SPECT)や神経心理検査の結果から総合的に行われます。
「軽度認知障害」と診断された方の全員が「認知症」になるわけではありませんが、診断されて4年のうちに約半数の人が「認知症」へ進行するという調査結果があります。
検査の結果、アルツハイマー病など認知症になる前の状態である可能性が高い場合にはこの段階から早めに薬による治療を開始することで、認知症への進行を遅らせる効果が期待されています。
「もの忘れ」による体験は、本人や周囲の方にとっても「もしかして?」と心配になるもの。気になった時に、かかりつけ医の先生へ相談したり専門医を受診することも安心に繋がるかもしれません。半年や1年など定期的に検査を行うことで認知症への進行を早期に発見することが重要です。
また、認知症予防にはバランスのよい食事や運動(コグニサイズなど)やワクワクするような趣味活動、仲間との交流がよいとされています。
脳の血管が詰まったり(脳梗塞など)破れたり(脳出血など)することにより、脳の働きが部分的に悪くなることがあります。このような認知症を「脳血管性認知症(Vascular dementia)」といいます。
「脳血管性認知症」は、脳梗塞の多発によるものが大部分を占めます。脳の中に大きな梗塞ができる、小さな梗塞でもたくさんできる、脳の血管が細くなって脳全体の血流が低下する、などが原因となって起こります。
病状や進行具合から他の病気の可能性を除き、加えて画像検査(MRI、脳血流SPECT)や神経心理検査の結果から総合的に行われます。
「脳血管性認知症」は、脳卒中後に突然症状が現れたり、発作ごとに階段を下りるように進行することがしばしばあります。
脳は部分によって働きが異なるため、ダメージを受けた部位によって歩きにくさや話にくさ、気分のむらやしびれなど症状に個人差があるのも特徴です。
高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙、心疾患、動脈硬化など脳血管障害の危険因子の予防や治療をすることが大事です。
合わせて、日常生活にリハビリを取り入れて残っている機能を使っていくことも有用です。
原因はまだわかっていませんが、前頭葉・側頭葉の神経細胞が急激に減ってしまい、脳が萎縮して起こります。
病状や進行具合から他の病気の可能性を除き、加えて画像検査(MRI、脳血流SPECT)や神経心理検査の結果から総合的に行われます。
「アルツハイマー型認知症」と異なり、最初のころには「もの忘れ」が目立たないことが特徴です。前頭葉の機能である「意欲や社会性」、側頭葉の機能である「言葉の理解」などが影響をうけやすい面があります。
毎日同じ時間に同じ行動をとることを頑なにまもろうとしたり、予定の変更に戸惑い変更することが難しく、慌ててしまい衝動的に行動してしまうこともあります。