後期臨床研修

各科専門医プログラム

消化器内科

2024年度に専門研修を開始する予定の研修医は下記をご覧ください。

プログラムの特色と研修医へのメッセージ

消化器内科では、腹痛、便秘、下痢、嘔気、食欲低下、体重減少、全身倦怠感など多岐にわたる一般症状をもって来院する患者の数も多く、それら疾患の鑑別診断から診断・治療のアルゴリズムを学ぶことが出来ます。消化器内科の診療には、観血的、侵襲的手技が含まれ、熟練した指導医による実際的な指導を繰り返し受けることが重要ですが、学会指導医・専門医が指導にあたります。近年の医療は卓越した技術とともに、その安全性が高く求められています。そこで、チーム医療体制を徹底し、実際的な技術指導とともに、チームのなかで医療安全を常に確認するように指導しています。詳細な臨床データに基づいた症例カンファレンスや外科医および病理医との合同カンファレンスを行うことにより、専門医の意見を参考にしながら治療方針を決定しています。そのため地域医療機関の信頼も厚く、紹介症例数も年々増加しています。
専門医取得は内科学の他の領域と同様に、内科専門医の取得が必須です。内科専門医取得には内科全般にわたる広範な症例を担当することが求められますが、大学病院の特性を生かした稀少な症例や内科の他領域の症例を数多く経験することができるのも当院のプログラムの特色です。研究面では後期研修中に大学院へ進学し、希望があれば国内外の医療施設や研究施設へ留学することも可能です。

消化管
消化管(食道・胃・小腸・大腸)領域は腫瘍性や炎症性など疾患が多岐にわたり、診断のためのX線検査、内視鏡検査、超音波検査などの実技が多い診療部門です。これらを十分に修得することは重要な研修課題の1つとして位置づけられます。それぞれの専門医による指導の下、全ての診断手技を修得が可能です。 炎症性腸疾患に対する確定診断・治療、また、早期食道がん、胃がん、大腸がんに対する内視鏡的治療も積極的に行っています。一方、器質的疾患のみならず、食道アカラシアや過敏性腸症候群などの機能性疾患の診断・治療も積極的に行っています。

肝胆膵
肝・胆・膵疾患の診断、治療には経皮的、経血管的、あるいは経内視鏡的アプローチによる様々な手技が要求されます。習得できる肝胆膵領域の日常的診断・治療手技は、肝生検、ラジオ波焼灼療法、肝動脈塞栓化学療法、食道・胃静脈瘤結紮療法ならびに硬化療法、経皮経肝胆道ドレナージ、内視鏡的胆道・膵管ドレナージ、内視鏡的乳頭括約筋切開術、胆道ステント留置など多岐に及びます。

研修医の皆さんへ

当科は院内全ての一般内視鏡検査を担当しており、連日検査を担当する必要があるためデューティーの多い科です。しかし、短期間に多くの症例を経験することが可能で、臨床研修、さらに専門医の育成には適した施設です。また、楽しく働くことをモットーにしており、テニス・ゴルフ・サッカーなどそれぞれのプロフェッショナルが研修外課題の指導も行っております。ファイト溢れる研修医の参加を期待しています。

研修プログラム(研修計画)

シニアレジデント1年目は消化管造影・腹部超音波・上部・下部消化管内視鏡検査を中心に手技、診断能力の向上を図り、2年目以降は、肝胆膵領域の基本的診断手技(超音波内視鏡検査、ERCP、血管造影検査、超音波下肝生検等)や消化管腫瘍の内視鏡的治療、消化管出血に対する内視鏡止血術などの治療手技にも積極的に参加していただきます。3年目以降は、消化管、肝、胆膵の専門グループに分かれ、より専門的で高度な診断、治療手技を修得します。例えば、消化管グループは、粘膜下層剥離術(ESD)、ステント留置、バルーン拡張術、肝臓グループでは肝がん局所療法(RFAPEI)、動脈塞栓療法、動注化学療法、腹腔鏡検査などを、胆膵グループでは乳頭切開術、砕石術、胆道・膵管ステント留置術などを修得します。さらには食道・胃静脈瘤治療の内視鏡的治療(EVLEIS)についても修得します。大学院進学希望者は各専門グループに所属し、上記手技の修得に努めながら学位の取得も可能です。5年目以降はチーフレジデントや講師として学生や研修医の指導を行い、各専門グループにおいても指導的役割を担います。
希望により関連施設における手技向上を目的とした院外研修も可能です。また、学会発表や論文作成も積極的に行っています。研究目的で海外留学を行うこともできます。現在、カンザス大学医学部と共同研究も行っています。

研修実績

現在のスタッフ23名のうち、日本内科学会認定医10名、日本消化器病学会専門医14名、日本消化器病学会指導医4名、日本肝臓学会専門医3名、日本肝臓学会指導医2名、日本消化器内視鏡学会専門医8名、日本消化器内視鏡学会指導医5名、日本胆道学会指導医1名、日本膵臓学会認定指導医1名、日本がん治療認定医1名、日本がん治療認定医機構暫定教育医2名が登録され、指導体制が整っています。

取得できる資格、経験できる症例、手技など

内科医としての基本的な診断、治療能力を身に付け、その上で消化器領域の疾患について専門的な知識を修得し、この領域の基本的な検査、治療手技が行えるようになることを目標とする。到達目標達成の評価として総合内科専門医を取得し、さらに、消化器専門医、肝臓専門医、消化器内視鏡専門医、超音波専門医等の専門医資格を取得します。

修得できる手技

消化管
消化管造影検査、上部消化管内視鏡検査、下部消化管内視鏡検査、ダブルバルーン小腸内視鏡、体外式超音波検査、消化管運動機能検査、腫瘍性病変に対する内視鏡的治療、消化管狭窄に対する内視鏡的拡張術、消化管出血に対する内視鏡的止血術など。


肝動脈塞栓術 、経皮的局所療法 (ラジオ波焼灼術)、動注化学療法、食道・胃静脈瘤治療、内視鏡的静脈瘤結紮術・硬化療法、バルーン閉塞下逆行性静脈瘤塞栓術、超音波ガイド下肝生検、経皮的肝膿瘍穿刺・ドレナージ術

胆膵
胆膵内視鏡診断および治療、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)、超音波内視鏡(EUS)、超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診(EUSFNA)、胆道(胆管・胆嚢)、膵管、十二指腸ステント留置術 、内視鏡的乳頭切開、総胆管結石治療、超音波内視鏡下治療、経皮経肝胆管ドレナージ(PTCD)、ダブルバルーン内視鏡ERCP

取得できる資格(取得できる専門医)

日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本超音波医学会専門医
日本消化器がん検診学会専門医
日本大腸肛門病学会専門医
日本消化管学会胃腸科認定医
日本カプセル内視鏡学会認定医
日本ヘリコバクター学会 ピロリ菌感染症認定医
日本肝臓学会専門医・指導医
日本胆道学会専門医・指導医
日本がん治療認定医
日本膵臓学会認定指導医