ドクターヘリ運航20周年記念誌
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7ドクターヘリ運航20周年記念誌ドクターヘリ運航20周年記念誌岡山県知事伊原木 隆太ドクターヘリが本格運航開始20周年を迎えられましたことに、心からお喜び申し上げます。貴院におかれては、早くよりドクターヘリの有用性などに着目し、全国に先駆けて実用化に向けた研究を積み重ねてこられました。そして、「岡山県ドクターヘリ事業」として2001年4月に本格運航を開始してからは、20年にわたり、安全運航の下、数多くの患者の救命に大きく寄与してこられたところであり、これまでの貴院、運航事業者および関係者の皆さま方のご尽力に対し、深く敬意と感謝の意を表する次第です。さて、我が国では急速な少子化・高齢化の進展により、社会保障費のさらなる増大が見込まれており、国においてはこれらに対応するため2025年に向けた医療提供体制の改革を進めています。こうした状況を踏まえ、県においても、限られた医療資源を有効かつ効果的に活用し、県民誰もが、県内どこに住んでいても良質な保健医療サービスを受けられる体制の確立を目指しているところであり、救急医療体制におけるドクターヘリの重要性は、ますます高まっています。このような中、貴院運航のドクターヘリは、岡山県内のみならず近県にも出動し、年間約400件、20年間で8,000件を上回る出動実績を挙げられています。また、2013年に締結された「中国地方5県ドクターヘリ広域連携に係る基本協定」は、緊急性を要する場合には運航距離や時間を勘案し隣県のドクターヘリを要請することができることとしておりますが、これは従来より「生活圏」を優先してきた貴院の思想を基としたものであり、限られた医療資源を有効活用する例として全国でも注目を集めているところです。今後とも、救急搬送だけでなく、大規模災害時における救命活動や、県境を越えた広域連携など、消防防災ヘリなどとともに、県民の命を守る活動に一層のお力添えを賜りますよう、心からお願い申し上げます。新型コロナウイルス感染症との長い闘いは、2年が経ちました。貴院をはじめ、ドクターヘリ搬送患者を受け入れていただいている医療機関、消防機関におかれましては、感染症にも細心の注意を払いながら活動されていることと存じますが、引き続き、ご理解、ご協力をいただき、よりよい救急医療体制に向けたご尽力を賜りたいと存じます。終わりに、川崎医科大学附属病院のさらなるご発展と、関係者の皆さまのご活躍を心からお祈り申し上げます。祝辞 ドクターヘリ運航開始20周年に寄せて

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