ドクターヘリ運航20周年記念誌
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ドクターヘリ運航20周年記念誌54ドクターヘリ運航20周年記念誌川崎医科大学附属病院看護副師長藤尾 政子2001年4月以降、ドクターヘリが安全運航され、このたび20周年を迎えられましたことに、心よりお慶び申し上げます。ドクターヘリ運航は、広域なチーム医療として高度救命救急センターの医療スタッフのみならず、運航スタッフ、消防関係、地域住民、川崎医科大学附属病院職員等多くの方々のご理解とご協力があって成り立っていると思っております。このチームの一員としてドクターヘリ運航に携わらせていただいたことに改めて感謝申し上げます。私は、フライトナースとして、1999年10月ドクターヘリ試行的事業開始から約17年間にわたり、フライト業務に携わらせていただきました。整形外科病棟から高度救命救急センターへ部署異動となったことをきっかけに、2001年に救急救命士の資格を取得しました。その後ドクターヘリの本格運航の決定に伴い、当時の看護管理者から「ヘリに乗ってみない?」と声をかけられたのがドクターヘリとの出会いです。救急救命士の資格取得がヘリに搭乗することにつながったのだと思います。思い起こせば、当時のフライトナースは総数3名しかおらず、輪番制で対応していました。フライトナースはCS業務(現運航管理業務)である出動要請を電話で受け、ランデブーポイントを消防と決定し、ドクターヘリスタッフのパナコールを鳴らして出動するという一連の流れをおこなっていました。そこで、上記の業務を「受付」と「ヘリ搭乗」の2名体制にする必要性を感じフライトナースを増員し、現在の2名体制へと移行することができました。2名体制とはフライトナースが2名で待機し、複数傷病者や連続出動などに対応する日本初のセカンドチーム体制のことで、今では全国的に広まりつつあります。また、この20年の歴史の中で運航体制や教育ならびに人選基準も大きく変遷してきています。これからの時代を担うフライトナースの皆様には、治療・処置が優先となりがちなプレホスピタルの現場でも患者さんが何を望んでいるのかすばやく察知し、寄り添い、患者さんが安心して医療を受けられるドクターヘリチームづくりの要としてご活躍されることを願っております。最後になりましたが、日本初のドクターヘリ運航開始から日本一の広域チームとしてますますのご発展をお祈り申し上げます。20年を振り返って ドクターヘリのさらなる未来へ

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