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男性の不妊症について

更新日:2018/01/01

不妊症の基礎知識

「結婚してから妊娠を希望し、通常の夫婦生活をいとなんでいるにも関わらず、
1年間、妊娠の成立がない状態を不妊症といいます。
現在、6組の夫婦のうち1組が不妊症であると言われています。約半数に男性にも
原因がありますが、不妊症というと、女性因子ばかりであると考えられがちです。
男性に原因があることも理解の上、夫婦そろっての専門機関の受診と正確な知識を
得ることが大切です。

男性不妊症

男性不妊症を分類すると、

1.精子をうまく造ることができない(造精機能障害)
2.精子の通り道がつまっている(精路の閉塞)
3.勃起や射精がうまくできない(性機能障害)
に分類することができます。

1.造精機能障害

世界保健機構の提唱する精液所見の正常値は、
液量:1.5ml以上、濃度(数)1500万/ml以上、精子運動率:40%以上、
正常精子:4%以上です。
造精機能障害の男性不妊症の患者さんでは、この数値のいずれか、もしくは全てで
正常値を下回っています。原因としては、約70%が特発性(原因不明)で、
約20~30%は精索静脈瘤で、内分泌異常や染色体異常はごく少数です。
精索静脈瘤とは精巣のすぐ上の静脈叢がこぶ状のしこりをつくり、
そこに血液が停滞する疾患です。
熱ストレスや酸化ストレスにより造精機能障害を呈します。静脈瘤は手術で根治可能です。
我々は顕微鏡を用いた手術を行っていますが、局所麻酔下1時間程度で可能です。
当科では過去5年間で約300例の手術を行っています。

2.精路の閉塞
原因は、先天的な疾患から、感染症後、医原性、パイプカット後など多岐にわたります。
精路の再建(閉塞を治す)が第一選択ですが、精巣から精子を採取する方法も
広く行われています。この場合は、1個の卵子に精子を注入する顕微授精が適応になります。

3.性機能障害
この年代の勃起不全(ED)は、心因性がほとんどです。
排卵日EDという言葉がありますが、排卵日の過度なプレッシャーは、男性をEDにさせて
しまう恐れがあります。その他、うまく膣内に射精ができない患者さんや挿入前に
射精をしてしまう早漏の患者さんなども性機能障害にあたります。
恥ずかしさ故に、受診を敬遠されがちですが、どんな性機能の悩みでもプロに相談して
頂きたいと思います。
解決策は必ず見つかります。
男性不妊表



 
K-style vol.53 2018新年号より
k-style53

執筆者

医長(講師) 原 綾英 Ryoei Hara
専門分野 泌尿器科学、泌尿器男性医学、男性不妊症、排尿障害

認定医・専門医・指導医 日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医、日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)

出身大学
川崎医科大学 H14.3 卒業

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