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乳がんと検診について

更新日:2016/04/01

女性のがんで最も多い乳がん

乳がんは、女性に発生するがんの中で最も発生頻度が高いがんです。
日本では昭和55年代に女性に発生するがんの中で最も多くなり、
その後も乳がんにかかる人数も亡くなる人数も増加し続けています。

現在、日本における年間の乳がん発生数は7万件余り、
死亡数は1万3千件余りであり、「12人に1人」が一生涯のうちに乳がんになります。
また、日本における乳がん発生のピークは40歳代後半であり、
他のがんに比べ「若い世代」に発生します。

乳がんの発生を促す要因としては、「遺伝子の異常」「女性ホルモン」が挙げられます。
前者としては、平成25年にアンジェリーナ・ジョリーさんが
「遺伝性乳がん・卵巣がん遺伝子BRCA1」の遺伝子異常の保因者であることを告白し、
予防的乳房切除術を受けたことで世界的な話題となりました。
また、乳房の放射線被曝による「遺伝子の傷」も乳がんの発生を増加させます。

後者としては、乳がんの発生を促進する「女性ホルモン」の影響です。
更年期障害の治療に用いられる「ホルモン補充療法」が、
乳がんの発生を増加させることが知られています。
また、「閉経後の肥満」は「女性ホルモン」の増加につながり、乳がん発生が促進されます。

        女性

早期発見・治療が肝心

乳がんは、早期発見・治療により「完全に治す」ことが可能ながんの一つです。
最新の統計では、乳がんの10年生存率(診断後10年経って生きている可能性)は
80%以上であり、他のがんに比べ大変良い成績を残しています。

しかし、病状が進んでから見つかった乳がん(進行乳がん)の治療成績は、
決して満足できるものではありません。
従って、他のがんと同様に、「早期に発見し、早期に治療を受ける」ことが肝要です。

また、早期に見つかった乳がんの多くは、
美容的に優れた「乳房温存手術」(乳房の一部のみを切除する手術)を
受けられる可能性が高く、術後の生活の質の改善にもつながります。


「乳がんの検診について」

乳がんは、直接手で触れられる乳房に発生するので
セルフチェック(自己検診)も早期発見に役立ちます。
乳がんは、乳首より上で外側にできることが多いのですが、
乳房のどこにできてもおかしくありません。

また、乳がんは早期のうちでも皮膚に変化が出て、
「えくぼ」のように皮膚が陥凹することがあり、乳房を鏡で観察するだけで見つけられます。

触診としては、まず、「乳房全体を軽くなでる」ように触ることが勧められます。
乳がんのほとんどは、「痛みを伴わない硬いしこり」として現れるため触診が重要です。
異常を感じたら、少し強く押さえてみると、正常な乳腺との硬さの違いがわかります。

このような自己検診は、月一回(例えば、毎月一日を検診日とする)、
定期的に行うことが勧められます。

しかし、自己検診ばかりに頼るのは危険です。
現在日本では、乳がんの早期発見率を増加させるために、
市町村が進める「対策型」検診(いわゆる集団検診)と各自が希望して行う
「任意型」検診(いわゆる人間ドック)が行われています。

前者は、市町村により視触診とマンモグラフィ検診の両方あるいはどちらかが
実施されています。
後者は、健診希望者の意思により、様々な施設において、様々な方法で行われています。

乳がんの検診方法としては、世界的にみると、
一年あるいは二年に一度、「マンモグラフィ」で検診することが勧められています。
「マンモグラフィ」の撮影は痛いとの「悪評」もありますが、年一回の「我慢」が
乳がんの早期発見につながります。


K-style vol.46 2016春号より
no.46

執筆者

部長(教授) 紅林 淳一 Junichi Kurebayashi
専門分野 乳腺、甲状腺

認定医・専門医・指導医 日本乳癌学会乳腺専門医・指導医、日本内分泌外科学会内分泌甲状腺外科専門医、日本外科学会専門医・指導医、日本がん治療認定医機構暫定教育医

出身大学
群馬大学 S56.3 卒業

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