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脳梗塞

知っておきたい初期症状

脳梗塞は脳卒中の一種です。

脳卒中といわれる他の病気には脳出血とくも膜下出血があります。
脳卒中は早く初期治療を開始するほど治療効果が高くなります。
脳卒中かな、と思ったらできるだけ早く受診することが重要です。
そのためにはよくみられる初期症状を知っておくと有利です。
最も多い症状は体の片方が動かしにくくなるというものです。

同じ側の顔から足までが麻痺することもあれば、手だけ、足だけのこともあります。
次に多いのが言語障害です。言語障害には口や舌、のどの麻痺により呂律が
回らなくなるタイプと言語機能そのものがうまく働かなくなる場合があります。
後者の場合はしゃべりにくくなるだけでなく、話がかみ合わない、読めない、
書けないといった症状が出ることもあります。

顔(Face)の麻痺、腕(Arm)の麻痺、言葉(Speech)の症状は
発見されやすく、脳卒中発症の目印として適しています。これらの症状が
一つでも見られたら時間(Time)との勝負です。キーワードの頭文字
をとってFAST(早く!すぐに!)と言われています。その他の症状と
しては感覚障害(しびれ)、まっすぐ歩けなくなる、視野が欠ける、
ものが二重に見える、ある方向に注意が向かなくなる、頭痛などがあり、
意識が悪くなることもあります。

 半身麻痺

初期症状が出ても短時間のうちに消えてしまうこともあります。このような
状態を一過性脳虚血発作といって、本格的な脳梗塞の前ぶれである場合があり
ます。適切な治療によってその後の脳梗塞を防ぐことが可能ですので、症状が
なくなったとしても病院を受診しましょう。

危険因子と予防

脳梗塞はならないに越したことはありません。脳梗塞になりやすくなる危険
因子として、高血圧、糖尿病、脂質異常症、心房細動、大量飲酒、喫煙があげ
られます。予防のためにはこれらへの対策が必要です。

減塩や摂取カロリーと体重の管理、禁煙といったポイントを意識することで
脳梗塞発症の危険性を減らすことができます。
心房細動は不整脈の一種で、一過性の場合もあります。
ご自身で自分の脈をとり、不規則な脈になっていないかチェックするようにして
おくと早期発見につながります。

脳梗塞や一過性脳虚血発作を発症してしまった方は再発する危険性が高く、
血栓ができにくくなるようなお薬(抗血栓薬)が必要になる場合があります。
このようなお薬は脳梗塞発症を防ぐ効果がある一方で、
出血すると止まりにくいという不都合もあります。
出血を悪化させないためには血圧が高くならないように注意が必要です。

血圧


「急性期治療〜時間との勝負」

脳は血流不足に対して非常に弱い臓器であり、血流が途絶えてから短時間
のうちに回復不能なダメージを受けてしまいます。そうなる前にできるだけ
早く脳血管を再開通させて、脳に血液を送り込むことが最も有効性の高い治療
です。

治療手段としては、脳血管を閉塞させている血栓をお薬で溶かす方法
(tPA静注療法)とカテーテル治療で取り除く方法(血栓回収療法)があります。
治療に関する情報の蓄積や器具の改良などで治療成績は向上しています。
しかし何より重要なのはできるだけ早く治療を開始することです。
例えばtPA静注療法では発症から4.5時間を過ぎれば治療薬を投与することができません。
脳梗塞は突然発症するため、初期症状をあらかじめ知っておき、
いざというときに迅速に動けるように備えておきましょう。

K-style vol.52 2017秋号より
Kstyle vol.52

執筆者

部長(教授) 八木田 佳樹 yoshiki yagita
専門分野 神経疾患全般、脳卒中全般

認定医・専門医・指導医 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本神経学会神経内科専門医・指導医、日本脳卒中学会専門医、日本医師会認定産業医

出身大学
大阪大学 H4.3 卒業

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