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睡眠時無呼吸症候群

更新日:2017/07/01

なぜ呼吸がとまるのか?

ひとの呼吸は鼻呼吸が基本です。

しかし、鼻づまりがあると口呼吸をするようになります。
口が開くと舌が背中側に移動するので、息をするための通り道(気道)が狭くなります。

呼吸がとまる前と再開するときにはいびきが発生しますが、
これは気道が狭いことを示すサインです。

さらに肥満になるとのど全体の脂肪が増え気道が狭くなります。
(美味しいものを食べ過ぎると本当に舌も肥えるのです。)

日中は筋肉の緊張を高めて、気道の広さを確保しようとする力が働いていますが、
睡眠中はこの働きが弱まるため、気道全体がつぶれやすくなり、
特に仰向けに寝たときやREM睡眠という夢を見る時間帯では無呼吸になりやすくなります。
また多量の飲酒も無呼吸の原因になります。

子どもでは、いわゆる扁桃腺が大きい場合やアデノイド肥大のために、
肥満が無くても気道はつぶれやすいので注意が必要です。
東洋人は欧米人と比較して、顎・顔面の骨格が狭く、気道をつつむ入れ物が小さいため、
体重の増加や扁桃肥大の影響がでやすい人種です。

気道がつぶれて10秒以上呼吸がとまると無呼吸と呼んでいます。
子どもでは通常の呼吸2回分の秒数呼吸がとまると無呼吸と呼びますので、
大人より短い時間で無呼吸と判定します。

21世紀の現代病

食生活の影響などから、睡眠時無呼吸症候群の患者さんは増加する傾向にあります。

やはり大人では肥満の影響が大きいのですが、子どもではアレルギー性鼻炎の
増加による鼻づまりが注目されています。
6歳までの鼻呼吸の習慣により顎・顔面の骨格は正常に発育するのですが、
鼻づまりのある子どもでは、顎が小さくなり舌が後方に位置するようになるため、
将来的に無呼吸を起こしやすくなります。

大人の無呼吸では2つの大きな問題が起きます。
呼吸が頻回にとまると、酸素が不足するため動脈硬化や
赤血球数増加などの反応が起こり、血管がつまりやすくなり
心筋梗塞や脳血管障害の危険因子となります。

また、無呼吸の度に自分では自覚できない程度の目覚め(覚醒反応)があり、
結果として睡眠の質が著しく悪化し、日中の眠気、仕事の能率の低下、
交通事故を起こしやすいなどの症状を引き起こすと共に、交感神経の緊張が続くため、
早朝からの高血圧がみられるようになります。

子どもでは、発育と発達に大きな影響がでます。
睡眠中に分泌される成長ホルモンの不足による成長障害や、
呼吸努力による胸郭の変形、睡眠障害によって起こる
日中の落ち着きのなさや学業不振、問題行動のほか、
夜尿の原因になっていることもあります。

大人も子どもも、いびきが毎日ある場合は、
睡眠時無呼吸症候群を疑って検査が必要です。



睡眠時無呼吸症候群2

「検査と治療について」

検査は、まず気道の広さを確認するための喉頭内視鏡検査や
鼻づまりの有無を確認するための鼻腔通気度検査などを行います。 

その後、睡眠中の呼吸状態を確認するために、身体にいくつかの
センサーをつけて検査します。

まず自宅で脳波を除いた簡易的な検査を行い、結果により一泊入院で脳波を含めた
精密検査を行います。


当院ではより自然に近い形で検査ができるように小型で身体抑制のすくない
検査機器を使用していますので楽に検査が受けられます。
治療は、圧力で気道を押し広げて呼吸しやすくするCPAPとよばれる機械から、
舌の位置を変えるためのマウスピース、鼻やのどの手術まで患者さんの病態にあわ
せた方法を選択します。

子どもでは手術により80%は治ります。

睡眠時無呼吸症候群の場合、その他の睡眠障害を合併していることもあり、
日本睡眠学会認定医の資格をもつ医師が結果を判定し、
適切な治療をおすすめすることが理想です。


K-style vol.51 2017夏号より
no.51

執筆者

部長(教授) 原 浩貴 Hirotaka Hara
専門分野 音声障害、音声外科、いびき・睡眠無呼吸症候群(SAS)、喉頭癌、嚥下障害

認定医・専門医・指導医 日本耳鼻咽喉科学会専門医、日本睡眠学会認定医、日本頭頸部外科学会認定暫定指導医、日本気管食道科学会認定気管食道科専門医、日本耳鼻咽喉科学会認定補聴器相談医、日本耳鼻咽喉科専門研修指導医、日本抗加齢医学会専門医

出身大学
山口大学 H1.3 卒業

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