川崎医大附属病院 50周年記念誌
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54 医師・看護師や各種医療技術者とチームを組み、人工呼吸器、透析装置、補助循環装置など生命維持管理装置の操作などを担当。所属する臨床工学技士は、当センターのほか、腎センター、中央手術室、血管造影室、集中治療室、高度救命救急センター、内視鏡・超音波センターなどの部署を中心に配置され、さらに、NICUや病棟、外来などでも、安心して使用できるよう保守点検を行う。 また、高度複雑化する新規医療機器や治療法にも全員で取り組んで“いのちのエンジニア”として安全な医療提供に努めている。一方、人材育成機関として、学生教育、新人研修・中途採用者研修に加えて、特定機能病院として必要な医療機器研修を実施している。⚫周術期に関連する臨床業務拡大 手術で使用する新たな医療機器が増え、技士の術中操作や立会いが必須となり、電子カルテとの連携や関係部署との調整も大幅に増加。集中治療室で使用する生命維持管理装置も複雑高度化し、セッティングも複雑化。「ECMO〜血液浄化〜人工呼吸」と超重症患者の治療も一般的となり、いずれも技士の関与が必須となった。⚫医療機器の安全管理 医療法改正後に義務付けられた医療機器安全管理体制のため、保守点検や研修開催、各記録作成等の業務が増加する中、操作も複雑で多様化した医療機器が急増し、技士の業務は拡大し続けている。さらに、ドクターカーやドクターヘリでの患者搬送時にも、安全な医療機器の使用のため、技士が必須の存在となった。1991臨床工学技士(以下、技士)4人入職院長付として中央手術室、ICU、腎センター、サプライセンターに配属(翌年から救命救急センターにも配属)1999技士が病院事務部医療機器管理課 医療機器管理センターに配属医療機器の中央保守管理を部分的に開始(〜2004年 中央管理体制を完全整備)2007医療法改正により医療機器の安全管理体制の確保義務化(研修会や保守点検の計画・実施等が義務化)医療機器安全管理責任者として任命2010組織改編により「MEセンター」が新設され、本館9階へ設置医療機器管理の専用システム更新、運用開始業務が拡大:手術支援業務(内視鏡関連手術、術中ナビゲーション、医療用レーザー、ロボット手術立会い等)、周術期関連業務(麻酔準備補助、RST等)、カテーテルおよび不整脈治療業務の担当引継ぎ(従来は中央検査部や業者が対応していた業務が完全移行)、病棟ラウンドや人工呼吸器管理中サポート、ECMO施行時院内24時間業務対応等日当直業務開始新型コロナウイルス感染症関連業務(血液浄化や人工呼吸、酸素療法など重症患者の治療チームとして24時間対応等)、手術室における清潔領域業務拡大(TAVI手術等)、医療安全管理室および内視鏡・超音波センターに技士常駐開始2011 〜20192020 〜2022MEセンターのあゆみ時代とともにMEセンター患者の生命に直結する医療機器を中央管理し医療の質の向上と安全性確保、有効性維持に貢献

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