川崎医大附属病院 50周年記念誌
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33川崎医科大学附属病院 病院長永井 敦 川崎医科大学附属病院が開院した1973(昭和48)年12月17日、私は17歳を目前に控えた高校2年生でした。当時、理系を目指していましたが、医師かエンジニアか、選択できかねていた時期です。しかし、ここに病院長として50周年のご挨拶を申し上げることになるとは、何か強烈なめぐりあわせを感じます。 岡山大学に入学したことで運命が決まったと言っても過言ではありません。学生時代、買ったばかりのバイクで当時の国道2号線を倉敷方面に走らせると、巨大な附属病院が目に入りました。岡山県は大学病院が二つもあるすごいところだと、愛媛県松山市出身の自分にはまぶしく映ったものです。 まさか自分がこの附属病院に勤務することになろうとは……。医師としていろいろキャリアを重ねてきて、今ここにある境遇に感謝しています。 異次元の少子化、人口減少、超高齢社会、医療・介護従事者の不足。医療を取りまく環境は、決していい状態ではありません。しかし、いかなる困難にあっても、その課題を乗り越えていく底力が当院にはあります。次の50年に向けて、目先にとらわれることなく長い目で、多面的、根本的に考え、川﨑祐宣初代病院長が作り上げた理念を継承しながら、粛々と進んで参ります。 次世代の人材育成にも注力し、“かわ”らぬ思いをこの“さき”へ伝え、そして“かわ”る “さき”に向かって明確な目標を持ち、医療を明るい未来へ導きたいと思います。 今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。“かわる さき”に向かって

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