川崎医大附属病院 50周年記念誌
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患者に優しい細径内視鏡(経鼻内視鏡)技術革新により、精密加工やデジタル画像処理の技術がさらに向上。現在、胃内部の観察に適した画質で、約5〜6mm程度の細さの内視鏡が開発され、患者にとっても検査しやすくなった。 拡大内視鏡/画像強調内視鏡80〜90倍に拡大可能な「拡大内視鏡」により、微細な血管や消化管の粘膜の表層模様までリアルに再現できるようになり、病変の早期発見が可能となった。「画像強調内視鏡技術」を用いた観察技術(光デジタル法、色素法など)が開発され、内視鏡を用いた診断精度は目覚ましい向上を遂げた。 超音波内視鏡技術の向上超音波内視鏡(EUS)では通常の内視鏡では見ることができない消化管の粘膜下病変、胆道・膵臓の深部臓器の詳細な観察が可能となった。粘膜下にある血流の動態の観察や、目的部位の組織の採取(超音波内視鏡ガイド下穿刺)、治療内視鏡への応用が可能となった。 カプセル内視鏡の登場2000年のWirelessCapsuleEndoscopyの開発により、これまで通常の内視鏡では観察し得なかった小腸が診断可能になった。2014年には大腸カプセル内視鏡も保険適応となった。 これからの内視鏡 ~画像診断へのAIの導入~内視鏡においても、AIによってリアルタイムで画像診断を支援するソフトウェアが開発されている。例えば上部、下部内視鏡検査中の画像をディープラーニングによるAIで解析することにより、ポリープやがんなどの病変を内視鏡画面でリアルタイムに表示して警告を発し、内視鏡医の診断補助に寄与している。 さまざまな領域に対する超音波診断と装置の小型化機器および技術の改良により、以前は観察の対象でなかった臓器、例えば消化管、皮膚、関節なども超音波検査が行われるようになった。また技術革新により小型化も進み、タブレット型モニターの超音波装置も開発。どのような場所でも検査が可能となった。聴診器のように利用できる、ポケットに入る超音波機器も市販されている。新旧小腸カプセル大腸カプセル小型化し機能が充実した装置持ち運び可能なタブレットエコーミニチュアプローブ内視鏡カンファレンスラジアル型EUS内視鏡透視室(操作室より)電子コンベックス型EUS39内視鏡センター(前身)開設以来、各時代の最新の機器を配備し、多職種によるチーム医療としての内視鏡検査・治療を行っている。タブレット型モニターの超音波診断装置超音波診断装置超音波診断装置歴史を物語る モノ・装置 消化管内視鏡の進化歴史を物語る モノ・装置 超音波診断装置の進化

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