川崎医大附属病院 50周年記念誌
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column- 2013(平成25)年から、看護師の役割の可視化とモチベーション向上のために各種バッジをつけている。デザインは川崎医療福祉大学医療福祉デザイン学科によるオリジナル品。(新人看護師バッジを除く)オンコロジーナース(がん看護)プリセプターナース臨床指導者新人看護師The Present and Progress of Medical Treatment and Nursing 開院から50周年を迎え、附属病院の看護は、時代や医学・医療機器の進歩に柔軟に対応しながら進化し続けている。看護技術は形を変えながらも大切に受け継がれているが、近年では、求められるものが急速に高度化してきている。真の温かな看護の提供のためには、きちんとした知識と技術が必要だ。看護師たちは意欲を持ってキャリアアップに臨み、川崎学園もそれを応援するシステムを用意し続けている。特定行為研修で特定行為実践看護師を育成 「特定行為」とは特定行為研修を受講し、専門的な知識・技術を身につけた看護師だけが、医師の指示を待たずに手順書をもとに実践できる医療行為である。 迅速かつ的確な医療の提供とチーム医療の推進を目的として、2015(平成27)年10月に看護師の特定行為研修制度が設けられた。 川崎学園では、大きく変化する社会や制度、そして多様化するニーズに応え、2016(平成28)年「学校法人川崎学園 川崎医療福祉大学看護実践・キャリアサポートセンター」を開設、2017(平成29)年4月、「看護師特定行為研修」を開講した。「診療の補助」の中で実践的な理解力、思考力、判断力と高度専門的な知識および技能が特に必要とされる21区分38行為のうち、15区分27行為の研修を実施している。その特徴は、14区分を関連付けて「クリティカルコース」、「創傷・ろう孔管理コース」、「基本コース」の三つのコースを設けているところで、2020(令和2)年度からは、「術中麻酔管理領域」のパッケージ研修も追加した。附属病院からは毎年3名の看護師が受講。現在21名の「特定行為実践看護師」がドレーン抜去やPICC挿入、動脈ラインの挿入、麻酔管理などを実施し、医師の負担軽減にも寄与している。認定看護師として12分野20名が在籍 認定看護師は、ある特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師のことである。高い臨床推論力と病態判断力に基づき、熟練した看護技術および知識を用いて、水準の高い看護実践と指導・相談の役割が求められている。当院には現在12分野20名が在籍し、患者や家族に対して尊厳と多様性を尊重した専門性の高い看護の実践と、看護スタッフへの指導や教育を行っている。 看護の現場では、例えば救急看護認定看護師やクリティカルケア認定看護師が、病棟で起こりうる「急変時の対応」の研修を企画し、シミュレーションを行うことで、スタッフの看護実践能力の向上と、不安の軽減にも対処している。病院内外での指導や教育も行っており、各分野の認定看護師が研修会や各部署からの要望に応じた勉強会を実施するほか、岡山県看護協会講師や他施設からの講師依頼、二次医療圏内施設との合同カンファレンスや看護相談にも積極的に取り組むなど、地域の看護の質向上にも貢献している。さらに、医療福祉大学や医療短期大学での講師を担い、人材育成に尽力している。川崎学園では出張対応や費用の補助などで資格取得を後押ししている。専門看護師は3名が在職 専門看護師は、大学院修士課程を修了し、がん看護、慢性疾患看護、地域看護など特定の専門分野に特化し27ナースバッジ常に看護の知識と技術を学び、その向上を図る努力プロフェッショナルとしての活躍を目指す

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