川崎医大附属病院 50周年記念誌
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column-総合診療部待合(開設の頃)多職種のスタッフによるミーティング勝村病院長から受与•院内感染対策チーム(Infection control team:ICT)•褥瘡対策チーム •栄養サポートチーム NST(Nutrition support team)• 災害派遣医療チーム DMAT(Disaster medical •緩和ケアチーム•リエゾン治療チーム• 呼吸ケアサポートチーム(Respiratory care support •医療倫理コンサルテーションチーム •排尿ケアチーム•心大血管リハビリテーションチーム•認知症ケアチーム•術後疼痛管理チーム•骨粗鬆症チームassistance team)team:RST)<チーム一覧>20の高い外来診療を展開している。なお、開院当初から、「循環器内科」「消化器内科」など、内科や外科も「臓器別」に開設し専門的な診療を行ってきたが、どの科を受診してよいのか分からない患者や紹介状のない患者等を診療するため、1981(昭和56)年に総合診療部(現・総合診療科)を全国の大学病院に先駆けて開設。総合的かつ全人的な診療を行っている。 外来調剤の院内処方にこだわっているのも患者の利便性を考慮してのことだ。 2003(平成15)年に開設された患者診療支援センターでは、紹介患者のスムーズな受け入れ、入・退院のサポート、医療ソーシャルワーカーによる医療福祉相談等の業務を担っている。また、地域の医療機関をスタッフが訪問し、診療や検査のニーズを伺ったり、当院の最新情報などを提供したりして、日頃からコミュニケーションを大切にしている。 1984(昭和59)年5月、附属病院でシニアレジデント修了証書、研修医認定証交付式が行われ、川崎医科大学卒業生から初の修了者が出た。勝村達喜病院長は「この母校を支えるのは自分たちであり、自分たちの時代であるという夢とロマンを追ってさらに勉強を続けてほしい」と述べた。初代病院長・川﨑祐宣は「卒後教育で有名な病院はわが国に3院ある。古くは聖路加国際病院、昭和35年ごろから虎の門病院、そして川崎医科大学附属病院だと言われています。当院の研修は非常に厳しい。それを済まされたことをお祝いします。これからの数カ年の努力が医師としてのあなたの運命を決めるのです。患者から尊敬される良医になってください」と述べた。レジデントコースの修了式には川﨑をはじめ柴田進、勝村ら歴代病院長や副院長が出席して新米医師たちを激励した。 多職種の専門職によるチーム医療の推進も、開院以来附属病院の大きな特徴となっている。現在、院内感染対策チーム(ICT)、栄養サポートチーム(NST)、褥瘡対策チーム、緩和ケアチームなどが院内を巡回し、多職種でのカンファレンスで患者一人ひとりの状況を確認し、患者にとって最適な医療の提供に努めている。 開院時から患者カルテはPOMR(問題志向型診療記録)方式に則って記載され、放射線画像フィルム等とともに中央病歴室で集中管理するシステムが構築されていたが、診療継続中の外来カルテは各科受付で管理されていた。医療情報を共有し他科の診療内容を参照できるよう2001(平成13)年外来診療録の 「一患者一診療録制」を導入。オーダリングシステム、医療用画像管理システム(PACS)、電子カルテシステム等、システムも更新しながら、業務の効率化、人的ミスの回避、精度の高い診断、さらに地域医療の向上にも努めている。厳しい臨床研修を修了して ― 初の修了証・認定証交付式 ―多職種によるチーム医療の推進医療情報のデジタル化

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